No.111 議会改革実行委員の報告。

昨年、10月5日から再開した議会改革実行委員会で合意された事項と合意されずに現状維持となった事項は以下のとおりです。

○合意された事項

  • 議会中継や録画映像を、タブレットPCやスマートフォンでも視聴できるようにする(現在はバソコンからのみ可能)。
  • 傍聴者に配慮した(より分かりやすい)庁舎内案内掲示。
  • 耳の不自由な方への対応としてイヤホンの貸与。議会傍聴時の手話通訳。
  • 意見交換会の結果の取り扱い(意見交換会の内容を精査して市側に情報提供する)。
  • 子ども連れの傍聴者に配慮して席(スペース)を設ける。
  • 大学法学部等との連携。
  • 議会報編集委員会を広報委員会に変更する。
  • 副議長、(議員)監査委員の任期を1年とする。ただし、再任を妨げない。

○合意されなかった事項。

  • 議員間討議の導入。
  • 各会派の「予算要望書」のインターネット公開。
  • 議員による代表者会の傍聴。
  • 代表質問の復活。
  • タブレットなどの会議(本会議・委員会)への持ち込み。
  • 「議会だより」のA4版化。
  • 副議長、(議員)監査委員が「一般質問」できるようにすること。

○先送りされた事項。

  • こども議会等の開催。
  • 委員会での(ある程度の)事前通告制の導入。

議会改革私案。

議会改革は、議会制民主主義を一層確かなものにするために極めて重要なことです。しかし、大和市議会では、議会改革に関することは、「全会一致」が原則なので、なかなか思うように進まないという現実があります。議会改革を推進するためには、その妨げとなっていることを改ためるところから始めなければならないというのが、私がこれまで議会改革に取り組んできた「実感」であります。議会改革を進める上で、私がまず「改革」すべきと思うことは以下の点です。

(1)「全会一致」の原則を廃止する。
大和市議会は、議会改革に関することは「全会一致」が原則とされています。もちろん、「原則」だから「例外」があるはずなのですが、事実上「全会一致」が絶対条件となっています。したがって、ほとんど全員が賛成(合意)していても、ただ一人(もしくは少数)の反対で改革が進みません。「多数決」で決めようとすると「数による暴力」などといわれますが本当にそうでしょうか?日本は民主主義の国です。そして、民主主義の大原則は「多数決」です。議会改革には「正解」がありません。だから、選挙のたびごとに「改革」があって然るべきではないでしょうか?それでこそ、選挙を経た「その時の民意」を反映した「議会」だと思います。もちろん、しっかりと議論しないで、多数決をとるなどは論外です。しかし、いくら議論を尽しても合意されない場合は「決」をとって「決める」ことこそ、議会の役割りです。少数の意見も確かに大切です。しかし、民主主義を否定しないのであれば、多数の意見に敬意をはらうべきではないでしょうか。私は、これからも愚直に「決められる」議会の実現を目指してまいります。
(2)代表者会の権限を縮小する。
大和市議会は、「会派制」をとっています。政策を同じくする議員で「会派」を結成し、「会派」同士が政策を切磋琢磨していくことには一定の意味があります。しかし、これも行き過ぎると改革を妨げることになります。現在大和市議会には、構成議員10名から2名までの「会派」があり、それぞれの「会派」には代表者がいます。そして、各会派の代表者からなる「代表者会」という「非公式」の会議があります。代表者会は本来各会派の連絡調整機関であり、議長がその権限に属することを決定する際に諮問する機関であります。しかし、現在はこの「代表者会」が議会に関することの事実上の「最高決定機関」になってしまっているのです。しかも、この代表者会も「全会一致」なのです。現在、大和市議会では2名から会派を結成できますから、理論的には、26人の議員が賛成でも、二人の議員の反対で事が進まないことがあり得るのです。私は、「代表者会」の権限を大幅に縮小し、本来の会派間の連絡調整機関として、議会全体が関わる問題を決定するのは「全員協議会(全議員で構成)」で行い、その決定は多数決、そのプロセスは公開にすべきだと考えています。
(3)議会改革実行委員会で決定できるようにする。
現在、議会改革実行委員会は、常任委員会や特別委員会ではなく「任意」の委員会という位置付けであり、「決定権」がありません。したがって、議会改革実行委員会で合意されたことも、決定機関である「代表者会」や「議会運営委員会」で再び協議され合意されなければならないのです。もともと、議会改革実行委員会は「全会一致」とハードルが高いのに、さらに「代表者会」や「議会運営委員会」でも「全会一致」とならなければなりません。基本的に、議会改革実行委員会は各会派から委員を出してやっているわけですから、合意の内容は会派の議員によく説明して、代表者会や議会運営委員会で議論を蒸し返さないようにと委員長としてお願いしました。いずれにしても、議会改革実行委員会で決まったことは、それを最終的な結論としなければ、改革の著しい妨げになります。このことも繰り返し申し上げています。

他にも重要な事はありますが、私は、まずこの三点に「けり」をつけないと「議会改革」は進んでいかないと思っています。「議会改革」は議員や議会のためにやるのではありません。「市民のための議会改革」を実現するために、これからも議会内外の同士とともに頑張ってまいります! !