No.147 「議会改革」と「全会一致の原則」の見直しについて。

「議会改革」と「全会一致の原則」の見直しについて。

「議会改革」を進める上で「全会一致の原則」が弊害になってきたことは、この「大和主義! !」でも何度か指摘いたしましたが、9月定例会中に開催された議会運営委員会において、長い間「タブー視」されてきた「全会一致原則」の見直しがようやく協議されました。

ことの発端は、私が委員長を務めた「議会改革実行委員会」での協議です。議会改革実行委員会に「全会一致の原則」の見直しが議題として挙げられました。大和市議会においても、通常の議題は「多数決」で「民主的」に決められているのですが、各会派の「代表者会」と議会運営委員会の一部では「全会一致」が原則とされています。そして、この「全会一致」とされている事項こそが、実は議会運営上とても重要なことを決めていく場面なのです。ですから、「ここ」が「全会一致」でないと決まらないというのでは、大和市議会は「重要」なことは「何も決められない」と言っても過言ではなかったわけです。

今年、平成29年2月14日の第17回議会改革実行委員会において、「全会一致原則」の見直しについて、今後「代表者会」や「議会運営委員会」などで協議をするかどうかかが審議されました。非常に活発な議論が交わされましたが、議論は平行線のまま膠着状態となりました。議会改革実行委員会も「原則」として「全会一致」とされていましたが、「原則」ということは「例外」がある(これは、予め確認されていました)ということで、今回は委員長としての私の判断で「決」をとることにしました。結果は賛成多数で「全会一致の見直し」について「協議」することが決まったのです。長い間、大和市議会の「改革」を阻んできた「全会一致原則」が見直されることとなった、「歴史的」な瞬間でした。議会改革実行委員会の決定は、早速「代表者会」と「議会運営委員会」に送られ「協議」されることになったのです。

そして、代表者会では、これからも「全会一致」を原則とするものの、「例外的」な場合もあることが確認されました。

さらに、議会運営委員会は9月22日に委員会を開催し、この問題を協議しました。そもそも、大和市には「委員会条例」というものがあって、各委員会はこの「条例」に基づいて設置されています。つまり、議会運営委員会設置の「法的根拠」は「大和市委員会条例」にあるのです。「大和市委員会条例」は、第16条で「表決について」規定しています。このように書かれています。「委員会の議事は、出席議員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる」。議会運営委員会も「大和市委員会条例」に規定される委員会である以上、本来、「多数決」で議事を決するべきなのです。ではなぜ、議会運営委員会では「全会一致」が長い間、「原則」とされてきたのでしょうか。それは、同じ委員会条例第4条に規定する「議会運営委員の設置」に次のような「申し合わせ」があったからなのです。このように記載されています。「地方自治法第109条第3項に規定する議会運営委員会の所管事項のうち、第1号議会の運営に関する事項及び第3号議長の諮問に関する事項の審査については、全会一致で定めることを原則とする。(平成3年9月2日議運決定)」。本来、自治体の「法」である「条例」の方が、単なる「申し合わせ」よりも「上位」のはずです。ところが、この20年以上も前の「申し合わせ」が条例の効力を制限し続けていたのです。これは明らかに異常なことです。今回、議会運営委員会において、「全会一致」を目指して議論を重ねるが、どうしても「一致」をみられない場合は、大和市委員会条例の規定に戻って、多数決で決する場合もあることが「確認」されました。

このように、「代表者会」、「議会運営委員会」を長く縛ってきた「全会一致の原則」はようやく見直され、今後は、「全会一致」しなくても決める場合があることが「確認」されたのです。私は、この問題にずっと取り組んできたので、「やっとここまできたか!」と感慨深いものがあります。もちろん、議論もろくにしないで、「数」で押し切るような「多数決」が取られるべきではありません。あくまでも「議論を尽す」。これは「協議」の中で何度も確認されました。しかし、どうしても「全会一致」できないなら、民主主義の「大原則」である「多数決」によって決めていくことも必要であると考えています。今後は、「全会一致の原則」と「多数決による採決」を慎重にそして責任をもって「運用」していくことになります。

「議会改革」と「大学との連携」について。

自治体の「立法機関」として、「条例」という「法」を制定する責務を担う「議会」そして「議員」は、「法的知識」や「行政学」的な知識の研鑽に努めていかなければなりません。また、政策立案においては、大学の先進的な研究を参考にさせていただく分野も多くあります。そういうこともあって、全国的に地方議会が研究機関である大学と「協定」を締結し、連携していく動きが広がってきています。議会改革実行委員会では、「大学との連携」についても協議され、今後、大学と連携していくことが「合意」されました。その後、各会派代表者会でもこの件は了承され、大学との連携の可能性を探ってまいりました。そして、中央大学(東京都 八王子市)と「協定」を締結して連携していくことになりました。県内では、横須賀市議会(関東学院大学)、茅ヶ崎市議会(文教大学)に続いて3例目であり、中央大学が「協定」を結ぶ地方議会としては、大和市議会が「全国初」となります。大学の「知」を活かしながら、議会としての「クオリティ」をさらに高めてまいります。

「議会改革」と「議会基本条例」について。

大和市議会は、平成25年12月定例会で「議会基本条例」を制定し、翌平成26年1月1日か
ら施行されています。議会基本条例第22条は「議会は、一般選挙を経た任期開始から4年を超えない期間ごとに、この条例が制定の目的に沿っているかどうかを検証し、必要な措置を講じるものとする」と規定し、定期的に条例の検証を行うことを「義務」づけています。今年度、議会基本条例制定後初めての「検証」手続に入る予定です。これまで、実現出来たこと、出来なかったこと、さらには、課題とされつつも、制定時には見送られたことなどを多角的に「検証」していくことになると思います。市民の皆様のご意見をいただく機会もあると思いますので、その際は、是非よろしくお願いします。