No.151 中村一夫の「議会改革私案」。

○中村一夫の「議会改革私案」。

 私は、初当選以来、「議会改革」の推進を主張してまいりました。2000年にいわゆる「地方分権一括法」が施行され、本格的な「地方分権」の時代が到来した! !と当時はかなり大きく報じられ、「地方議会」の「役割」についても、大きなご期待をいただきました。あれからかなりの年月が経ちますが、「地方議会」は、国民の皆樣方のご期待に沿うような「役割」を果たしてきたのでしょうか?私は、選挙の度に低下する投票率に、国民・有権者の地方議会への「失望」を感じています。だからこそ、「議会改革」を推進していくことが急務であると思っています。「改革」すべき点は沢山ありますが、まずは「議会が本来やるべきこと」を「しっかりとやる」体制を構築すべきであると思っています。つまり、「議案審議」の「クオリィティー」を高めて、しっかりと「チェック機能」を発揮することと、「審議のプロセス」を「可視化」させていくことです。「チェック機能」といっても「反対」するばかりが「チェック機能」を発揮することではありません。多くの価値観を持った23万5千人の「大和市民」にとっての「ベターな選択」をしていくということは、決して容易なことではありません。「チェック機能」を発揮しながらも、政策を実現させることによって、より良い地域社会を作っていくことが、議会のそして議員の使命であります。「審議のプロセス」を可視化するためには、会議のインターネット配信を進めていく必要もあると思います。現在、大和市議会では、本会議だけが動画配信されています。今後は、委員会の会議も動画配信していくべきだと思います。
 以下に私の「議会改革私案」をいくつか申し述べます。

一.予算・決算常任委員会の設置。

 議会が行う「議案審議」の内、「最も」重要な審議は「予算・決算」に関するものであると思っています。現在、大和市議会には、「予算・決算」を専門的に審査する委員会がありません。予算も決算も、4つの常任委員会(総務・厚生・文教市民経済・環境建設)に分割付託され、各委員会は、条例の改正案や陳情といった他の議案と一緒に「一日」で予算・決算を審査します。私は、予算・決算は、予算・決算を審査する専門の常任委員会を設置して行い、時間ももっとかけて審査するべきだと思っています。もちろん、時間ばかりかけて「だらだら」やっても意味がありませんから、各委員の質疑時間は「持ち時間」制にして、自分の「持ち時間」の中で、質問を組み立てて、系統立てて質疑を行えるように、質疑の方法自体を改善するべきだと考えています。そうすれば、限られた時間の中で、よりクオリィティーの高い質疑が行えるようになると思います。

二.「代表質問」の実施。

 大和市議会では、議員「個人」が「市の一般事務に対して行う一般質問」を中心に会議が運営されていて、毎回多くの議員が「一般質問」をおこないます。私も初当選以来、毎回の定例会で「一般質問」をおこなってきました。大和市議会の「一般質問」は大変活発で、行政側の答弁も大変丁寧で、「熟考」されたものです。しかしながら、その一方で「代表質問」がおこなわれていません。大和市議会は「会派制」をとっているのですから、各会派代表による「代表質問」があって然るべきです。代表質問は、通常3月定例会で行われます。3月定例会では、市長から「次年度」の「施政方針」が示されます。この「施政方針演説」に対して、各会派が政策論をぶつけるのが「代表質問」です。当然、会派によって考え方や論点が違っています。その違いを明らかにしながら、「施政方針」を「立体的」に可視化させていくのが「代表質問」なのです。今の大和市議会に「代表質問」が無いということは、議会審議のクオリティーを大きく下げていると思っています。

三.議員(委員)間討議の実施。

 委員会の質疑は(傍聴に来られた方はお分かりと思いますが)、議員(委員)が行政職員に対して、それぞれ質疑をして終了です。その後、「討論」というのがありますが、これは、議案に反対の委員、賛成の委員がそれそれぞれ「反対意見」「賛成意見」を一方的に述べる議会独特の意見表明の方法で、ディスカッションとしての「討議」ではありません。委員会は委員同士の「ディスカッション」によって、委員会の「意思」が形作られていかなければならない「場」です。ですから、委員が行政職員に議案の疑問点を質した後は、委員間での「ディスカッション」を行ない、委員会としての「意思形成」を行わなくてはならないのです。残念ながら、現在、大和市議会では「議員間討議」が行われていません(実施している議会もあります)。今年も引き続き「議員間討議」の重要性を議会で主張しながら、その実現をめざしてまいります。

四.会議の日程について。

 大和市議会は、年4回の定例会を行っています。毎年、3月は予算審議、9月は決算審議で、議案も多いです。一方、6月・12月の定例会は議案が少なめです。ところが、定例会の日程は4回の定例会ともほとんど同じです。私は、議案の多い3月・9月の定例会は日程も長くして、議案の少ない6月・12月の定例会は日程を短くするなど、メリハリのある日程にするべきであると思っています。また、最近、徐々に増えてきている「通年議会」についても、その実現性を検討すべきであると考えています。昨年出席した「全国市議会議長会研究フォーラム」において、「通年議会」を実施しているある議会の議長さんは、「通年議会のメリットは多いが、デメリットはない」と言われていました。

 他にも、改革すべき点は沢山ありますが、まずは、以上の点を改革できれば、議案審議のクオリティーは「かなりの程度」向上すると思います。今年は、議会基本条例を検証する年です。条例の検証と合わせて、こういった議論を深めていきたいと考えています。

○昨年12月定例会での「一般質問」について。

 昨年12月18日におこなった、私の「一般質問」の動画が大和市議会のホームページから配信されていますので、是非ご覧下さい。スマートフォン、タブレットPCからもご視聴いただけます。
 また、私の「大和主義!! 」の以前の号も私のホームページに掲載しています。こちらは「大和主義」で検索下さい。