No.162 「一般質問」の「役割」と「限界」について。

「一般質問」の「役割」と「限界」について。

 「一般質問」は、議員が個人として、市長及び市行政幹部対し、市政の現在また将来についての重要な問題を質し、また政策を提案する大変重要な会議です。大和市議会では、市役所5階の「議場」において毎回の定例会で行われています(市議会のホームページからLIVEと録画で「動画」も配信しています)。私も、議席をお預かりしてから毎回の定例会で、「休む事なく」行ってまいりました。「一般質問」は、議員が個人として「公式」に市長以下行政幹部に対して行う最も重要な「政治活動」でもあります。特に、大和市議会では、「一般質問」の定例会に置ける比重が重く、「市議会だより」で一番多くのページが割かれているのも「一般質問」です。議員が「説得力」のある「一般質問」を行えば、役所を動かすこともできます。また、結果としてそうならない場合でも、施策の問題点や課題を「公」の場で明らかにすることは、将来的に大きな意味を持つことになります。私も「一般質問」を契機にさまざまな政策を実現できました。これは、市議会議員として多いに「やりがいのある」仕事であります。しかし、「一般質問」にも「制度的」な「限界」があります。つまり、「質問」である以上、「答える」側に最終的には「決定権」を握られているということです。ですから、極論を言えば、いくら「説得力」のある「質問」、「提案」をしても行政(市長)がやりたくなければ、否定的な答弁が返ってくることになり、その「答弁」に不満があったとしても、「執行権」を市長が持っている以上、議員個人としては、それ以上のことは出来ないのです。これでは、市長と議員の政策が対立している場合、結局議員には「何もできない」ということになってしまい、議員の「存在意義」は無くなってしまいます。しかし、本当にそうなのでしょうか?「一般質問」だけが議員の議会活動であればそうかもしれませんが、議員が議会で行えることは、「一般質問」だけではありません。具体的にどんなことが議員には出来るのか以下に述べます。

「政策法務」の必要性。

 「条例」は、自治体議会が議決する「自治立法」であり、我が国の「法体系」の一部を構成しています。そして、「条例」も「法」である以上、強い拘束力を持っており、市長の行政執行をも拘束します。地方自治は、いわゆる「二元代表制」を採用していて、「執行権」は市長(首長)にありますが、「議決権」は議会が持っています。市長(首長)は、議会の議決に基づいて、その「執行権」を行使するというのが「二元代表制」のポイントです。ですから、議員が、本当に当該自治体と住民のために必要だと思って、「覚悟」を決めて政策を提案したのに、市長(首長)がその政策提案を一蹴するようなことがあるなら、議会としての「議決権」を行使して、その政策を実現できるような「条例」を作ればいいのです。市長(首長)は、「法令」に基づいて行政を執行するわけですから、条例に規定されたことは、嫌でも執行しなければならないのです。
 こんなことがありました。私は、地域経済活性化を主要な政策の一つとして活動しています。そして、まずは、大和市の「商業分野」の振興を進めることを提案しました。そして、そのために、行政に実際的な「計画」を策定して欲しいと求めたのです。私はこれを「一般質問」で行いました。しかし、市行政からは、「計画」は策定しないという答弁が返ってきました。私は「政策的」に大いに不満だったので、「条例」を作って、「条例」に市長が商業振興についての「基本計画」を策定することを規定したのです。「条例」に規定された以上、市行政としても「計画」を策定しないわけにはいきません。それで、ついに市(市長)も「大和市商業戦略計画」という「基本計画」を策定したのです。これは、「一般質問」の限界を超えて、議会としての権限を行使して政策を実現させた一例です。もっとも、「一般質問」で実現できないことをすべて「条例」にして執行させるべきだと言っているわけではありません。それでも、議会はそういうことも「できる」ということです。議会には「執行権がないからできない」は、一面ではそのとおりですが、一面では違います。議会は自らの持つ権限すなわち「議決権」を能動的に行使することによって、市長(首長)に政策を「執行させる」ことができるのです。しかし、残念ながら、議会(議員)自体が、この議会の「力」を十分に理解し、発揮できているとはいえないのが現状です。議員提案条例は、議会と議員にとって「ハードルが高い」ようです。議員自らが政策を考え、それを「条例」として制定していこうということは「政策法務」に含まれている考えです。私は、「政策法務」について、多くの議員にも共有いただけるように、「法律学に強い」中央大学とのパートナーシップ協定の締結に奔走してきました。おかげさまで昨年11月2日に全国ではじめて、中央大学と包括的なパートナーシップ協定を締結することができました。今後、大学のご協力をいただきながら、「政策法務」を勉強できるような場を設けていきたいと思います。そして、「政策法務研究会」のようなグループを立ち上げ、「政策法務」を勉強する同志を増やしていきたいとも考えています。議員が活発に議員提案で政策条例を作り、それを巡って、行政側としっかりとした政策的議論が交わされるようになれば、大和市の地方自治は、もっと住民の皆様方の多様な意思が反映されるものになっていくと思います。「一般質問」による政策提案と、議員提出議案での「条例」制定。この二つをうまく使いながら、政策的に緊張感を持って行政と議会が対峙していくときに、「大和市と大和市民にとって」より良い政策が実現できるものと信じています。これはかなり「ハードルが高い」ことです。それでも、ハードルが高ければ高いほど「やりがい」があります。これからも、「大和とその市民のため」に「大和主義! !」で頑張ってまいります。

「市政報告&意見交換会」について。

 毎月恒例の「市政報告&意見交換会」を今月も行います。今回は、主に6月定例会の内容について行います。途中からでも途中まででも結構です。始めての方も大歓迎です。気楽に地元の政治を語り合いましょう! ! 皆様のお越しをお待ちしています! !

日時 6月23日(土)13時30分から15時30分まで。
場所 渋谷学習センター(イコーザ) 306(和室)
小田急江ノ島線 高座渋谷駅西口下車すぐ。