No.156 経済政策の必要性。

経済政策の必要性。

 大和市のような地方公共団体と、民間企業の大きな違いとして、仕事の量と収入の関係があります。基本的にいって、民間企業の場合、仕事の量が増えれば、企業としての収益も多くなります。だから、会社の仕事を拡大する仕事である「営業職」があるのです。一方、地方公共団体は、基本的に仕事が増えれば増えるほど、支出が増えていきます。なぜならば、地方公共団体の仕事は、住民へのサービスであり、行政サービスであるからです。

 近年、市民の皆さまからの様々なご意見をいただき、それを私たち議員も議会を通じて求めてきた結果、大和市の市民サービス、行政サービスはだいぶ充実してまいりました。そのこと自体は歓迎するべきことなのですが、財政面からは、いろいろと考えていかなければなりません。大和市が実施している市民サービス、行政サービスは、いずれも大切なものばかりです。ですから、基本的には、今後も継続して実施されていかなければなりません。市民サービス、行政サービスを受けるとき、受益者負担としての「対価」を求められない場合、それは、基本的に全て「税金」で賄われているのです。「対価」をいただく場合でも、全額ご負担いただかない場合は、やはり不足分は「税金」で補填されています。したがって、市としては、市民サービス、行政サービスの「財源」を今後とも確保していかなければならないのです。

 新年度の当初予算の「一般会計」の内、約6割が「自主財源」です。6割の「自主財源」は、地方公共団体の「自主財源率」として、すごく悪いわけではありませんが、「自主財源率」は高い方がいいわけで、引き続き「自主財源」の「確保と拡大」は大きな政策テーマであります。大和市の税収のバランスを見てみますと、会社・企業からいただく「法人市民税」の割合があまり高くありません。大和市には大きな会社や工場がそれほど多いわけではないので、「仕方がない」部分はあるのですが、大和市が今後もしっかりとした市民サービス、行政サービスを継続していくためには、「仕方がない」とばかりも言っていられません。

 私は、「地域経済の活性化」を主要な政策の一つに掲げて、市の収入(歳入という)の確保と拡大のために、将来を見据えた施策を行うべきであると、一貫して主張してきました。そして、平成24年には、まず「商業的分野(商店街だけではない)」の振興を図るため、大和市では最初の「議員提案」による経済政策条例「大和市商業振興条例」を作りました。また、市内企業が引き続き市内で事業拡大していただくことはもちろん、市外からの「企業誘致」をしたり、起業家を支援するための条例などの「法整備」の必要性についても主張してまいりました。今定例会には、「大和市企業活動進推進条例」案が上程されており、現在審査されています。

「大和市企業活動振興条例」について。

 今定例会に上程されている「大和市企業活動振興条例」は、新たに大和市に進出される企業や、市内企業でも設備投資などをして事業拡大しようとする企業に対して「奨励金」を交付するなどの「具体的」な施策を盛り込んだ条例です。このような奨励施策が、市内企業の一層の「事業拡大」や「起業」の推進、「企業誘致」を促すことが期待されています。「奨励金」の中でも、賃貸オフィスビルの賃料の一部を「入居奨励金」として交付したり、「健康企業奨励金」は、大和市「らしい」項目となっています。

 私は、平成28年9月定例会の「一般質問」で、経済産業省と厚生労働省が創設した「健康経営優良法人認定制度」について言及し、同「制度」についての市の考えと、認定企業についての(市としての)支援策についてうかがいました。市長からは、「制度の周知」や「認定を受けた企業」の「支援策」を検討していくといった、大変「前向き」な答弁があり、この時の議論が本条例の中で実現しています。「健康経営」に積極的に取り組んでいる企業に国が「お墨付き」を出したということは、企業にとっては「イメージアップ」の材料になります。これは企業にとっては、「奨励金」以上の価値があることだと思います。「健康都市 やまと」の「健康企業」としての「ネーム・バリュー」を十分に活かして、企業活動を積極的に推進していっていただきたいと思います。この条例案は、2月27日の文教市民経済常任委員会の審査においては、全委員賛成で承認されています。この後、3月22日の本会議で正式に採決されます。この条例が成立したら、本当に「使える」条例となるよう、そして、「地域経済活性化」に役立つ「良いツール」となるよう、議会としても、私としても、大いにアピールしていこうと思います。

「市政報告&意見交換会」のお知らせ。

 毎月恒例の「市政報告&意見交換会」を今月は下記のとおり行います。今回は主に3月定例会の報告を中心に行いたいと思います。小規模の「気楽な」集まりですので、気軽に是非お立ち寄り下さい。途中からでも途中まででも結構です。皆さまのお越しをお待ちしています。

日時 平成30年3月31日(土)13時30分から15時30分まで。
場所 渋谷学習センター(イコーザ) 306(和室)
小田急江ノ島線 高座渋谷駅西口下車すぐ。