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No.332 9月定例会が閉会しました

9月25日(木)、大和市議会9月定例会が閉会しました。今定例会に上程されていた令和6年度一般会計歳入歳出決算については、厳しい財政状況ではありますが、「認定」といたしました。以下に自民党・新政クラブを代表して行った討論について報告します。

【令和6年度一般会計決算につき、自民党・新政クラブを代表し、認定の立場で討論します。今回認定に賛成はしますが、もろ手を挙げて賛成というわけではありません。というのも、昨年度決算の結果は大変厳しいものになっているからです。個別の事業に関しては、四つの常任委員会の中でかなりの時間をかけて審査されています。市長におかれては、各委員会での審査の内容にしっかりと留意され、来年度予算の編成に臨んでいただきたいと思います。昨年度決算における実質収支は、前年度より増加して31.4億円となっていますが、それは、財政調整基金を30.2億円取り崩して一般会計に繰り入れた上での決算です。昨年度、本市は長い歴史の中で、初めて経常収支比率が100%を超えてしまいました。これは、本市に毎年安定して入ってくるお金では、毎年必ずかかる費用を賄えないということを意味しています。これは、極めて危険な状態といえます。財政調整基金の取り崩しを前提としている市政運営は、当然長く続くはずもなく、古谷田市長就任時には約67億円あった財政調整基金も、このままでは令和9年度には枯渇する見込みとなっています。このような財政状況を踏まえて、市は「(仮称)大和市健全財政・改革ビジョン」なるものを策定するという方針を打ち出しました。今定例会でも複数の議員がこの「ビジョン」について質しましたが、未だ詳細は固まっていないようです。私たちは、「財政緊急事態宣言」を発出して市民に本市財政が深刻な状態であることを明らかにする必要があると繰り返し申し上げてきましたが、市は、「宣言」ではなく「ビジョン」でいくということを選択しました。いずれにしても、昨年度決算の内容をみても本市財政の健全化は待ったなしの状況です。繰り返しになりますが、市長には、決算審査において指摘された意見を真摯に受け止めて、来年度予算に反映されるように強く望みます。来年度予算については、優先すべき事業をよく見定めるともに、特に新規事業関しては、真に必要なものに限り計上するものとして、財政の再建に注力されることを強く求めて、認定の討論とさせていただきます】

さらに、自民党・新政クラブからは、同決算に対する「附帯決議」を提出しました。「附帯決議」は、決算に対する議会の「意思」として大変「重い」ものです。市長には、この「附帯決議」に留意して来年度予算を調整する「政治的」責任があります。「附帯決議」の内容は以下のとおりです。

【令和6年度一般会計決算における経常収支利率は101.51%となり、市政史上初めて100%を超える事態となった。財政構造は完全に硬直化しており極めて深刻な状態である。このまままの財政運営が続くと令和9年度には財政調整基金が枯渇する事態となることも明らかになっている。よって、持続可能な行財政運営を実現するため、抜本的かつ効果的な財政健全化を行うことを強く求める共に、市議会としても市と協力してこの難局を乗り越える決意である】

上記、「附帯決議」は賛成多数で可決されました。本当は、こういった「決議」は全会一致が望ましいのですが、「附帯決議」提出の意味が十分に伝わらず、全議員の賛成が得られなかったのは極めて残念です。「附帯決議」は「法的拘束力」はありませんが、「議会の意思」として市長をある程度「政治的」に拘束します。つまり、「附帯決議」を無視した場合、その「予算」は議会の賛成を得られない、つまり成立しないということがあり得るからです。そういった意味でも「全会一致」が望ましいのです。決算に「附帯決議」が付けられるというのは極めて異例なことで、来年度予算編成について「釘を刺す」ことにもなり、決して「パフォーマンス」ではありません。今回、「全会一致」とはなりませんでしたが、議決されたことにより「議会の意思」とはなりました。今後は、この「決議」に配慮した財政施策が実施されるよう注視してまいります。

No.331 中村一夫の一般質問について

9月19日(金)の午前中二番目に登壇し、以下の四項目について「一般質問」を行います。市議会ホームページからliveと録画で動画配信も行いますので、ぜひご覧ください。

〇大項目一。「本市財政について」

今定例会に上程されている令和6年度決算は、本市の歴史上はじめて経常収支比率が100%を超えてしまいました。本市の財政健全化への取り組みは待ったなしです。本市は前市長のときに、「筋肉質」の財政で健全であると豪語し続けていました。なぜ、急に「お金がない」ということになったのでしょうか。市としての長中期的な財政見通しが甘かったのではないでしょうか。市の認識を伺います。市長は、財政健全化のために「改革ビジョン」なるものを作ると言っています。詳しいことは決まっていないようですが、まずは、市長自らが市民に対して、市の財政の現状を正直に丁寧に説明するところから始める必要があると思います。市長の考えと今後の対応について伺います。いずれにしても、厳しい財政状況を乗り越えるためには、市民の理解と協力が何よりも必要です。財政健全化のための市長の覚悟について伺います。

〇大項目二。「ごみ箱と喫煙所の設置について」

ターミナル駅である大和駅と中央林間駅は、市内でもごみの散乱が多く、市の景観を大いに損ねているだけでなく、防犯上も問題があると感じています。市は条例で「ごみは持ち帰るかごみ箱に捨てる」と定めていますが、そもそも「ごみ箱」がありません。自分で出したごみは持ち帰るにしても、落ちているごみなどを捨てられる「ごみ箱」があれば、気軽にごみを拾って捨てることができます。いろいろ検討すべきことはありますが、駅の近くに「ごみ箱」を設置することはできないでしょうか。「ごみ箱」の設置について提案します。また、「喫煙所」についても、多くの駅では「喫煙所」を設置しています。本市は、条例ですべての道路での喫煙を禁止していますが、「喫煙所」がありません。路上喫煙の防止効果を高めるためにも、「喫煙所」の設置も検討して欲しいと思います。本市のたばこ税は、令和6年度決算で、約18億3千万円もあります。この歳入の一部を「喫煙所」の整備に活用することができると思います。その上で、「喫煙所」以外での路上喫煙や、たばこのポイ捨てに対しては、罰則の適用を含めてしっかりとした対応をするべきと思います。市の考えを伺います。

〇大項目三。「コミュニティバスについて」

本市は、比較的交通の便の良い街ですが、高齢化が進む中で、電車や路線バスなどの公共交通機関では不便を覚える市民の方も多いです。コミュニティバスは、そのような市民ニーズに応えて、多くの市民の「足」として定着してきました。そのような中で、高齢の方や障害のある方から、夕方の時間の増便について検討をいただけないかという切実なご要望をいただいています。市財政の厳しい現状ですが、ダイヤやルート、そして、運賃など総合的に見直して、より市民ニーズに叶うコミュニティバスとして進化する必要があると思います。市民の「足」として引き続き運行を継続できるよう、総合的な検討を求めます。

〇大項目四。「本市小規模認可保育園での不適切保育について」

昨年8月に発生したとされる本市小規模認可保育園での不適切保育については、本年2月にテレビニュースで報じられました。以来、3月定例会、6月定例会で取り上げ、事実の究明と再発防止について訴えてまいりました。全国的にも多発している不適切保育ですが、市は監査を実施し、現在は第三者委員会を設置して事実を明らかにすると言っています。しかしその一方で、市のこれまでの対応が適切であったのかという疑問の声も上がっています。私は、市の一連の対応に問題があったと指摘してきました。市がもっと迅速に監査、調査等を行っていれば、真相を究明することは、はるかに容易であったと思っています。残念ながら、今年2月に報道があってから慌てて対応しているという感がぬぐえません。不適切保育があったとされてから一年近くたち、関係している子どもたちが0歳から2歳と大変幼いということを考えると、今からの調査でどれほど真相が明らかになるか大変心配です。いずれにしても、このような「不適切保育」は「子育て王国」と自ら宣言した大和市で決してあってはならないことです。市民も保護者も十分に納得するような、そして今後二度と同様のことが起こらないような、しっかりとした市の対応を強く求めていきます。

No.330 大和市の財政について

大和市の財政が大変厳しいということは、市長もあちこちで言っているようです。8月28日(金)の9月定例会の初日、古谷田市長から、初めて議会に対しても現状の説明と今後の方針について話がありました。以下にその概要を記します。

〇本市を取り巻く状況

・本市の人口は微増を維持してはいるものの、生産年齢人口は、令和9年度をピークに減少していく見込み。
・今後歳入の根幹である市税の大幅な増加を期待することは難しい。
・一方で、行政コストは市税収入を上回るペースで増加している。
・予算編成における財源不足を補填するために、市の貯金いわれている財政調整基金を取り崩すことが常態化しており、残高が急激に減少してきている。
・令和10年度以降は、財源不足がさらに拡大することが見込まれる。
・このままでいくと、令和9年度に財政調整基金が枯渇することになる。
・令和6年度、地方公共団体の財政構造の弾力性を判断する指標である「経常収支比率」が100%を超えた(101.5%)。これは県内唯一である(令和6年度)。

〇「(仮)健全財政・改革ビジョン」について。

・本市財政の課題は、上記のとおり構造的なものであるので、解決のためには、抜本的な改革を行う必要がある。
・したがって、次の二点を目的にした財政健全化に向けたビジョンを策定する。(1)具体的な期間(令和7~9年度)、目標等を設定し、短期間で実効性のある取組を行う。
(2)本市財政状況について、庁内及び対外的に発信し、健全化の取組みに対する理解を得るようにする。
・健全財政・改革ビジョンでは、短期間(2~3年)に硬直化した財政構造の改善を図りながら、肥大化した行政サービス等の縮減、公共施設の見直し、市債借入額の抑制等により、後年度の負担増を抑制し、持続可能な財政運営の基盤を構築する。

〇策定のスケジュール(予定)

・令和7年8~9月  ビジョン骨子の検討
・令和7年10月   行政経営会議(ビジョン素案)、令和8年度当初予算説明会(庁内)、
         パブリックコメント(ビジョン素案)
・令和7年11月   ビジョン策定・公表

〇説明を受けて

 以上のような説明を受けました。かなりスピード感を持って作業に取り組むようですが、気になる点もあります。歳入が大きく改善されない中、短期間で大きく歳出を削減するとなると、行政サービスの低下や市民負担の増が懸念されます。そのあたりについて、市長の真摯な姿勢がなかなか伝わってきませんでした。今定例会の中で、財政再建に向けた市長の思いと決意をしっかり聞いていきます。