No.330 大和市の財政について

大和市の財政が大変厳しいということは、市長もあちこちで言っているようです。8月28日(金)の9月定例会の初日、古谷田市長から、初めて議会に対しても現状の説明と今後の方針について話がありました。以下にその概要を記します。

〇本市を取り巻く状況

・本市の人口は微増を維持してはいるものの、生産年齢人口は、令和9年度をピークに減少していく見込み。
・今後歳入の根幹である市税の大幅な増加を期待することは難しい。
・一方で、行政コストは市税収入を上回るペースで増加している。
・予算編成における財源不足を補填するために、市の貯金いわれている財政調整基金を取り崩すことが常態化しており、残高が急激に減少してきている。
・令和10年度以降は、財源不足がさらに拡大することが見込まれる。
・このままでいくと、令和9年度に財政調整基金が枯渇することになる。
・令和6年度、地方公共団体の財政構造の弾力性を判断する指標である「経常収支比率」が100%を超えた(101.5%)。これは県内唯一である(令和6年度)。

〇「(仮)健全財政・改革ビジョン」について。

・本市財政の課題は、上記のとおり構造的なものであるので、解決のためには、抜本的な改革を行う必要がある。
・したがって、次の二点を目的にした財政健全化に向けたビジョンを策定する。(1)具体的な期間(令和7~9年度)、目標等を設定し、短期間で実効性のある取組を行う。
(2)本市財政状況について、庁内及び対外的に発信し、健全化の取組みに対する理解を得るようにする。
・健全財政・改革ビジョンでは、短期間(2~3年)に硬直化した財政構造の改善を図りながら、肥大化した行政サービス等の縮減、公共施設の見直し、市債借入額の抑制等により、後年度の負担増を抑制し、持続可能な財政運営の基盤を構築する。

〇策定のスケジュール(予定)

・令和7年8~9月  ビジョン骨子の検討
・令和7年10月   行政経営会議(ビジョン素案)、令和8年度当初予算説明会(庁内)、
         パブリックコメント(ビジョン素案)
・令和7年11月   ビジョン策定・公表

〇説明を受けて

 以上のような説明を受けました。かなりスピード感を持って作業に取り組むようですが、気になる点もあります。歳入が大きく改善されない中、短期間で大きく歳出を削減するとなると、行政サービスの低下や市民負担の増が懸念されます。そのあたりについて、市長の真摯な姿勢がなかなか伝わってきませんでした。今定例会の中で、財政再建に向けた市長の思いと決意をしっかり聞いていきます。