No.166 成熟した「議会制民主主義」を目指して。

成熟した「議会制民主主義」を目指して。

 今年は、「維新150年」です。維新が成ったとき、明治新政府の基本的な方針は「五箇条の御誓文」として示されました。その五箇条は次のようなことばで始まっています。「広く会議を興し、万機公論に決すべし」。つまり、「すべてのことは、皆で話し合って決めていきましょう」ということです。ほんのこの前まで、「お上」の命令で「すべてのことを決めていた」ことを考えれば、この一条は本当に驚くべき「大改革」でした。ここに、我が国は「民主国家」としての道を歩き始めたのです。今や国に衆議院・参議院から成る「国会」があり、都道府県、市町村にもそれぞれ「議会」があり、形の上からは「万機公論に決すべし」は実現しているといえます。しかし、会議によって万機を決する「議会制民主主義」は本当にその理想を達成しているといえるでしょうか。結論からいえば、我が国の「議会制民主主義」は、いまだ十分に「成熟」しているとはいえない状態だと思います。私も、大和市議会に議席をいただき、「成熟した議会制民主主義」の実現のために尽力してまいりましたが、その「志」は道半ばです。だからこそ、今後とも「成熟した議会制民主主義」を目指して尽力していかなければならないと決意をさらに強くしているところであります。

「議会改革」の必要性。

 「成熟した議会制民主主義」を実現するためには、「議会改革」が必要不可欠であります。有権者としての「市民」には「議会」によって自らの「意思」や「政治的な考え」が反映されているという「実感」が必要です。「議会」が市民を「代弁」「代表」しているという「実感」が無くなってしまうと、「政治」に対する無関心に拍車がかかってしまいます。それは「投票率」の低下という「目に見える形」で顕われてきます。大和市では、もう何年も市議会議員選挙の投票率が下がり続け、すでに50%を切っている状況です。私は、これ以上「投票率」が下がっていってしまったら、その選挙で選ばれた議員は、本当に市民の代表といえるのか、まさに「民主主義」の危機的状況であると深く憂慮しています。「明治維新」以来、多くの人々が文字通り「命がけ」で勝ち取ってきた「民主主義」をこれからもしっかり守っていくためには「議会改革」がどうしても必要なのです。

「議会改革」一定の成果。

 以上、少し厳しい話を書いてまいりましたが、大和市議会もこれまで「議会改革」をやってこなかったわけではありません。私が議席をお預かりしたこの8年間だけみてみても、いくつか実際的な「改革」を実行してまいりました。以下に特に私が関わってきた幾つかの「改革」の実例をお示しします。

  1. 大和市議会基本条例を制定しました。
    北海道栗山町で最初に制定された「議会基本条例」は、「議会改革」の一つの成果物として全国各地の地方議会が制定してきました。大和市議会でも平成25年12月定例会で制定し、翌平成26年1月1日から施行されています。この条例は、大和市議会の「議会改革」の方向性を示しています。私は、議会基本条例制定の際、議会基本条例検討協議会副会長として条例案をまとめました。
  2. 大和市議会で初めての議員提案の経済政策条例を制定しました。
    平成24年12月定例会で、大和市議会で初めての議員提案による経済政策条例「大和市商業振興条例」を制定しました。本来、自治体の「法」である条例を制定することは議会の役割りです。しかしながら、これまで(大和市議会だけでなく)全国の地方議会は、いわゆる「自主立法」に消極的でした。大和市議会でもこの条例が出来るまで、議員提案の条例は一つしかなく、また、このような経済政策条例は一つもありませんでした。この条例は、行政(市長)に一定の作為を求めたことに大きな特徴があります。この条例と条例策定に至る経緯は、大和市議会の議員提案条例制定の一つの「モデル」となりました。議会・議員が自ら政策条例を制定できることを実際に示したことは、「議会改革」の目に見える形となりました。
  3. 議会改革実行委員長としてまとめてきたこと。

    • 陳情者、請願者の委員会での意見陳述の実現。
    • 本会議のインターネット中継をスマートホンで視聴できるように改善。
    • 中央大学とのパートナーシップ協定締結の実現。
    • 各種団体と議会(委員会)との「意見交換会」の実現。
  4. 「全会一致」原則の見直し。

以上、いくつかの「改革」の実際を挙げてみましたが、この8年間の私の「改革」の取り組みの中で一番の「改革」は、「全会一致」原則を見直したことだと思います。これまでも「全会一致」原則に阻まれて「改革」できなかったことは幾つもありました。今後は、一定の賛成を得られれば、「改革」を進めていくことが可能となります。もっとも、その前にしっかりと議論していくことが、議論を尽してくことが大前提です。その議論していく仕組みを「改革」していくことも大きなポイントです。

「議会改革」は終わらない(焦らず、急げ! !)

「議会改革」は私の最も重要な政策課題の一つです。とはいえ、議会が合議制である以上一人で出来るわけではありません。自分一人で突っ走っていけば、議会の「合意」を得られません。時には「我慢」も必要です。それでも諦めずにやっていきます。それが、「大和と大和市民のため」になる政治であると信ずるからです。私の「議会改革」に関するモットーは「焦らず、急げ! !」です。これからも着実に一歩づつ「改革」を進めてまいります。

8月の「市政報告&意見交換会」のお知らせ。

毎月恒例の「市政報告&意見交換会」を今月は下記の日程で行います。是非お越し下さい!!

日時 8月25日(土)11時から13時まで。
場所 渋谷学習センター(イコーザ) 306(和室)
高座渋谷駅西口下車すぐ。

※途中からでも途中まででもOKです。お気軽にお立ち寄り下さい。