No.194 少子化政策について。

〇少子化政策について。

現在我が国において最も深刻な課題は、「少子化」の問題です。「少子高齢社会」と一括りにされることがありますが、本来「長生き」できる社会は望ましいものであり、問題の核心は「子供」が少ない社会にあります。子供が少ないということは、将来において人口減少が避けられず、人口が減少していけば社会構造が変わり、社会福祉をはじめとしてさまざまな行政サービスに影響が出てきます。残念ながら近い将来において人口が減少することはもはや避けられません。それでも、人口減少を緩やかにして、さらにその先の未来には人口を増やしていくことができるような対策(政策)が必要です。今回は「少子化政策」について論じてみたいと思います。

〇婚活支援について。

 「少子化」問題の背後にあるのは婚姻率の低下です。もちん、結婚するかしないかは個人の自由でありますが、結婚したいと思う人が結婚できる社会をつくっていくことは重要です。また。結婚したいと思えるような社会にしていくことも必要だと思います。独身者の内、「いつかは結婚したい」と思っている人は多くいると言われていますが、実際に結婚するために何らかの「努力」をしている人は意外と少ないことも分かってきています。昔は、近所にも職場にも良い意味で「おせっかい」な人がいて、結婚について「世話」をしてくれていました。現在、特に都市部ではそういった「世話を焼いてくれる方」が少なくなり、そもそも「出会い」が少なくなってきているといいます。このような「世話焼きの人」に代わる役目を自治体が担っています。いわゆる「婚活支援」の事業を行っている自治体が増えて来ているのです。「婚活支援」は「お見合いパーテイー」のようなものが多いですが、自治体が行う「合コン」のようなものだけで無く、ボランティア活動などを行いながら互いを知り合うといった形式のものもあります。いずれにしても、「出会いの場」が少ない(ない?)ということが、婚姻の機会を少なくしていることは間違いないようですから、まずは「出会いの場」を提供するといった形での「婚活支援」が必要だと思います。

〇子供を産み育てやすいまちを目指して。

 子供を持つか持たないかは基本的にそれぞれの夫婦が決めることです。また、何らかの事情で子供を持てないというご夫婦もいらっしゃいます。このように、「子供を持つ持たない」は個人的かつ大変デリケートな問題でありますが、同時に社会的な問題でもあるというのが大きな特色です。国、自治体としては、少なくとも子供を持ちたいと思うご夫婦が子供を産み育てやすい環境を整えていく必要があると思います。大和市は「子育て何でも相談・応援センター」を設置し、妊娠から子育てまでさまざまな不安や悩みに寄り添って対応させていただいています。妊娠、出産、子育てと「切れ目のない」施策を実施しておりまして、その甲斐もあってか最近5年間の合計特殊出生率の平均は県内19市中トップとなっています。これからも、「子供を産み育てやすいまち」を目指して、議会、行政一丸となって対応してまいります。市民の皆様方におかれましては、子育てに関して何か気になることがありましたら、私、中村一夫にご相談下さい。しっかりと対応させていただきます。

〇「結婚したい」「子供を持ちたい」という方を増やす。

 何度も申し上げているとおり、「結婚するかしないか」「子供を持つか持たないか」は基本的人権に属します。したがって、誰かに強制されるような話ではありません。それでも、「結婚」や「子育て」を「したい」と思えるような社会にしていくことは極めて重要だと思います。確かに、結婚も子育ても大変です。この「大変」ということばかりに注目してしまうならば、「結婚」や「子育て」に伴う「大変さ」を抱え込むより、一人で自由に暮らしたいと思うかもしれません。しかし、「結婚」や「子育て」には「大変さ」を越えた「喜び」もあります。そういった「喜び」を伝えていけるような政策こそが「根本的」な少子化対策かもしれません。以前、「出生率日本一」の鹿児島県徳之島の伊仙町を視察しました。伊仙町も確かにさまざまな子育て施策を実施していましたが、その多くは他のまちでも(大和市でも)やっていることです。根本的に違うのは「子供は宝」という風土であると思いました。「子供を沢山持ちたい」そういった雰囲気が「出生率日本一」を支えていると思いました。ちなみに徳之島空港の愛称は「子宝空港」です。そういった雰囲気を大和市でもつくっていけるような政策を検討しています。市民の皆様方のお考えを是非お聞かせ下さい。

〇自治基本条例の「子ども」規定。

 平成17年4月1日に施行された「大和市自治基本条例」第11条には「市は、子どもが健やかに育つ環境をつくる責務を有する」と規定しています。逐条解説によれば「現に社会の一員であり、また未来の社会の担い手である「子ども」を大切にするという大和市の姿勢を謳っています」「子どもを取り巻く環境の悪化が指摘される中で、子どもは家庭や学校だけでなく、地域全体でも育まれるべきという視点に立っています」ということです。市の「最高規範」である「自治基本条例」において「子ども」を大切に規定していることの意味は大変大きいです。これからも、「子どもが健やかに育つ大和」を目指して尽力してまいります。