No.257 教育について・学力向上について

議席をお預かりしてからずっと教育政策は私の主要な政策の一つでした。中でも基礎教育の「学力向上」に関しては、繰り返し議会で取り挙げてまいりました。私がこの問題に取り組み始めた頃、大和市には独自の学力向上に関する政策も施策もほとんどありませんでした。その後、教育委員会とも議論を重ねて、教育委員会も「放課後寺子屋」事業や中学生の「全国学力・学習状況調査(以下「学調」という。)」での目標を設定するなど、徐々に取り組みが進められてきました。ただ、本市の「学調」の結果はまだまだ課題が多く残っていると思います。
 私は、全国トップレベルで「学調」の結果を出している秋田県と福井県を視察してきました。共通していると感じたのは、両県共に「学調」をとても大切に扱っているということです。ただ得点を上げるということだけではなく、「学調」を中心に児童生徒の学力そのものを向上させていこうという教育プログラムが確立しています。
 一方、本市の「学調」に対する認識・取り組みは、やや消極的な感じがします。もちろん、「学調」の結果だけがすべてではありませんが、「学調」をもっと積極的にとらえて、具体的に結果を出す工夫をしていただきたいと思います。秋田県や福井県の具体的な取り組みを引き続き提案してまいります。
 勉強は、わかるようになれば楽しくなります。ちょっとしたきっかけで、勉強が楽しくなり、成績が向上することは良くあることです。小中学生の基礎学力を向上させることは、彼らの今後の人生の選択肢を増やすことにつながります。中学校卒業の「15歳の春」に「学力」によって夢を諦めることがないように、しっかりとした学力を児童生徒に身につけさせる教育を実現できるよう、引き続き議会から取り組んでまいります。

〇火災対策について

 大和市は、初期消火のために「スタンドパイプ消火資機材(以下「スタンドパイプ」という。)」を全市的に配備してきました。「スタンドパイプ」は、消火栓に直接接続して、水道管の水圧を利用して大量の水で消火活動をすることができます。だから、消化器に比べて消化力は高いです。ただ、比較的「簡単」とはいうものの、最低3人はいないと消火活動ができないことなど、実際の消火活動に「誰でも」使用できるかというと、まだまだ課題があると思っています。
 そもそも、スタンドパイプは、大規模火災などで、常備消防や消防団が消火に来れない現場での初期消火用の資機材であり、普通の火災での使用を目的としていなかったはずです。ところが、最近「火事だスタンドパイプだ!!」といった横断幕を目にします。いつからスタンドパイプが普段の消火用になったのかと疑問に思い、消防本部に問い合わせたところ、スタンドパイプの使用目的は変わっていないそうです。であれば、市民に誤解を与えることのないよう配慮して欲しいことを申し上げました(ただ、現在も改まっていませんが…)。
 そもそも、大規模火災のときに市民がするべきことは消火活動なのでしょうか?先日、新潟県糸魚川市を行政視察しました。糸魚川市は平成28年12月22日に街の中心部約4万平米が燃える大火災を経験しています。火災により147棟の建物が燃え、17人が負傷されましたが、火災による死者は一人も出ませんでした。これは大変驚くべきことです。理由をお聞きしたところ、地域の助け合いがあったというのです。日頃から地域の人々がお互いを良く知っていて、逃げ後れた人を助けたことが、一人の死者も出さなかった理由だというのです。これには、大規模火災対策として何をすべきかということを改めて考えさせられました。つまり消火に重点を置くか、避難・救助に重点を置くかということです。大和市は、どちらかというと「消火」に重点を置いているように感じます。しかし、より重要なのは「逃げること」ではないでしょうか?消火は消防や消防団にある意味「任せて」、市民は「逃げること」「助け合うこと」を重視した対策にもっと力を注ぐべきではないかとお思いました。以前、阪神大震災の資料館を視察した際も「逃げる」ことの重要性が言われていました。安全に「逃げる」こと、弱い立場の人を助け合いながら「逃がす」ことは簡単なことではありません。今後、「逃げること」「逃がすこと」により力を入れた火災(災害)対策を提案していきたいと思います。

〇前副市長辞職等に関する調査特別委員会について

 前副市長辞職等に関する調査特別委員会(以下「調査特別委員会」という。)は、7月13日に委員会を開催し、6月17日に議長が示した2つの「方針」、(1)仮称ハラスメント禁止条例案の策定(2)「決議」案の策定を、他の事項に優先して行うことを了承していただきました。早速、条例案の策定に取りかかり、12月定例会での成立を目指していただけるということです。
 昨今、さまざまな職場でハラスメントを防止するための取り組みが行われています。今後議会が制定する条例が、実効性の高いものとなるよう期待しています。条例制定の過程においては、パブリックコメントも実施されると思いますので、市民の皆様におかれましても是非、忌憚の無いご意見をお聞かせくださいますようにお願いします。