教育委員会青少年相談室内で発生した、「パワーハラスメント」行為が発覚し、教育長、教育部長、青少年相談室長が処分され、教育長は即日辞任しました。「いじめ」の撲滅に当たらなければならない教育委員会において、大人の「いじめ」ともいえるパワーハラスメントが発生し、そのことに、教育行政のトップである教育長が関わっており、辞任したということは、本市の教育の信頼を大きく傷つけました。
教育委員会は、8月26日付で保護者宛に「お詫び」の文書を出しましたが、その表題は「青少年相談室の組織運営について(お詫び)」というもので、その内容は主に「青少年相談室がその機能を十分に発揮することができなかった」ことについての「お詫び」であり、「事の本質」から逃げているという印象を否めません。
私は、今回の「事件」は大和の教育の危機であり、まさに「非常事態」であると思っています。議会としてもこの件を質し、隠し事のない事実と、本市の教育の信頼を回復し再生するための決意とプロセスを明らかにしなければならないと思っています。
○全員協議会が開かれました
8月29日、9月定例会の初日。本会議終了後に全員協議会が開かれました。約一時間にわたって、教育委員会及び市側(行政側)から説明があり、議員との間で質疑応答が行われましたが、内容も時間も大変不満足なものでした。
「市長への手紙」を契機に調査を行った結果、パワーハラスメントの実態と教育長及び教育部長がパワーハラスメントに関して「不適切」な支持等を行っていたことが認められたこと、また、教育長と当該スクールソーシャルワーカーとの間で「不適切」な金銭の授受が行われたことが報告されましたが、当初は、パワーハラスメントの実態も、どういう「不適切」な支持があったのかも、「不適切な」金銭の授受とはどういうことなのかも明らかにされませんでした。その後、私の質問に答えた形で説明がありましたが、新聞報道等で明らかにされた範囲を超えたものではなく、「疑惑」は解決されたどころか、一層深くなったと感じました。
今回の全員協議会は、初めて議員全員に対して正式な説明が行われた機会でもあり、全員協議会の性質から、もっと具体的で突っ込んだ内容の説明があるかと期待していましたが、その期待は完全に裏切れました。私としては、今日の説明では到底納得がいきません。さらに真相を明らかにしなければ、この問題の真の解決にならないと改めて実感しました。
○一般質問でさらに質してまいります
全員協議会での説明では、結局事件の本質と教育再生への決意とプロセスははっきりと示されませんでした。現在教育委員会の事務方のトップである教育部長は、今回の事件のあと「消防」から移ってきた人です。今まで、教育とは全く「畑違い」だった人が、なぜこの教育長不在という「非常事態」に教育委員会の事務方のトップになったのか、この人事も全く不可解です。
議会の答弁は教育長と教育部長があたりますが、今定例会は教育長不在のため、教育部長があたることになります。その教育部長に全く「畑違い」の人を起用した市長の意図はどこにあるのでしょうか?この人事の問題も質さなければなりません。
教育長は教育委員会で選任するとはいえ、元教育長は、市長が「教育長候補」として推薦した人物です。法的に市長には教育長の任命責任はないかも知れませんが、少なくとも教育委員としての任命責任はあると思います。大和市の教育行政は市長の信頼を受けた元教育長を中心に行われてきました。その大和の教育が今や危機的な状況になっているのですから、市長にも本市の教育再生についてどのような決意を持っているのかをお聞きしなければならないと思います。特に教育の再生の中心とならなれければならない新教育長の人事は重要です。市長の考えを明確に示してもらわなければなりません。
○大和の教育再生に向けて
今回の事件で大和の教育は著しく信頼を失い傷つきました。一刻も早く大和の教育を正常な状態に戻さなければなりません。来年度から本市公立小中学校は再び三学期制となり、本来なら今頃は三学期制実施に向けて具体的な段階に入っていなければなりません。それなのに、教育長が不在ということでここにも影響が出ています。議会としても本市の教育再生に向けて、尽力してまいります。市民の皆様のご意見をお願いします。