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No.306 9月定例会が始まりました

8月29日に大和市議会第3回定例会が始まりました。会期は9月26日までの29日間です。9月定例会は、毎年前年度の大和市決算(一般会計、国民健康保険事業特別会計、介護保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計、病院事業会計、下水道事業会計)を審査します。「決算」の審査・認定は、地方自治体議会の最も重要な仕事の一つです。議会としてその仕事を十分に果たすためには、議会の決算審査の「やり方」を改革することが必要だと思っています。以下に現在の大和市における決算審査の方法と問題点、私の改革案をお示しします。お読みいただき、ご意見をいただければ有難いです。

〇大和市議会の決算審査(現状)

定例会初日に市長から決算が議会に上程されます。議会は本会議で事業ごとに所管の常任委員会に審査を付託します。付託を受けた常任委員会は、事業ごとに審査をして、各委員会ごとに決算(所管事業)を認定します。そして、定例会の最終日に本会議において各委員会委員長が委員会における審査の結果と経過を報告し、質疑、討論を経て採決を行います。採決の結果、過半数が賛成すれば決算は認定されます。

〇現状の問題点。

大和市議会には、「決算委員会」がないので、決算は、4つの常任委員会に分割付託されます。分割付託は、所管課に対して細かく質問することができる反面、決算全体に関わる「大きな視点」で審査することが難しいという難点があります。また。大和市議会は、委員会での質疑を「手上げ式」自由質疑で行っています。活発な議論を期待できる反面、会議がいたずらに長くなったり、論点が分かりにくかったりと、質問の「質」という面で課題があります。そして、何よりも、定例会が始まり、議案が上程されてからすぐに各委員会の審査が始まってしまうため、議員の準備時間が足りないというのが一番の問題であると思います。したがって、これを是正することが「決算」審査の改革の最も重要な点だと思います。

 

〇中村一夫の改革案

私の改革案は、まず、大和市議会にない「決算委員会」を創設して、決算は「決算委員会」で集中審査するようにします。ある程度の規模の自治体議会はそうしています。そして、現在、定例会開会後すぐに行われている委員会を後半に回して、「一般質問」を先に行います。そうすることによって、「決算」の内容をよく検討する時間が確保されます。実際の委員会審査は、「一般質問」のように、各委員の「持ち時間」制・「通告」制にすれば、審査をより効率的、効果的に行うことができると思います。具体的にはこんな感じです。本会議(決算の上程と全体的な質疑)→決算委員会に付託→決算委員会で審査(分科会で所管ごとの審査)→決算委員会(各分科会からの審査結果・経過の報告を受け、委員会として協議)→本会議(決算委員長の報告、質疑、討論を経て採決)。このようにすれば、「決算委員会」での審査までに十分な準備時間を確保できますし、メリハリのきいた「質」の高い質疑が可能になると思います。「決算」審査の「質」の向上は、議会のチェック機能の向上です。今、大和市議会が求められているのは、まさにチェック機能の向上であると私は思います。紙面の関係で説明が不足していて分かりにくいかもしれませんが、お時間を頂ければ個別にご説明させていただきたい思います。ぜひ、皆様のご意見をお聞かせください。私は、決算審査の改革は絶対に必要だと思っています。

No.305 防災DXについて

いつ来てもおかしくないと言われて久しい「大規模地震」。ただ、「いつ来ても」と言われていても、現実に「今日」来ると思って生活している人はそれほど多くないのではないかと思います。そのような中、8月8日に突如発表された「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」は、ある意味「晴天の霹靂」だったのではないでしょうか。今回の発表を過度に恐れてパニックにならないようにお願いしたいのですが、適切な注意は当然必要です。改めて地震の多い国に生活していることを自覚して、日ごろの備えをしていく必要があると思います。個人として、災害への備えをすることは必要ですが、自治体としても当然市民の生命財産を守るための備えをすることが大切です。今回は、「防災DX」について書いてみたいと思います。

一般的に「DX」には3つの段階があるといわれています。一段階目は「デジタイゼーション」、「物事をデジタル化すること」、二段階目は「デジタライゼーション」、「個別業務をデジタル化すること」、そして、三段階目が「DXデジタルトランスフォーメーション」、「関連業務全体や組織全体をデジタル技術で変革したり、新たな価値を生み出したりすること」です。「防災DX」に関しても同様の三段階があります。まず、第一段階目の「デジタイゼーション」としては、避難所でこれまで紙に書いていたような情報をデジタル化して管理することなどがあります。次に第二段階の、「デジタライゼーション」としては、これまで市役所の職員等が被災者から聞き出して集約していたものを、被災者個人がスマホなどから直接登録するようにするようにして「個別業務をデジタル化」することなどがあります。最近では、罹災証明書発行業務などでも、「デジタライゼーション化」が進んでいます。そして、三段階目でいよいよ「個別に行われてきた業務をデジタル技術で結び付け、全体として業務を変革する」という「DX化」が実現します。

「防災DX」を実現した事例として、令和元年の台風19号で被災した長野県長野市における「One Nagano」活動があります。これは、市民・ボランティア・行政・自衛隊などが連携して、一体的に災害廃棄物処理にあたった「プロジェクト」です。デジタル上の地図に様々な情報を落とし込み、日々変化する状況に対応して、全体として統一された「共同認識」のもと連携して一つの大きな活動を成し遂げたという実例です。

そこで、本市の「防災DX」についですが、市からの情報発信に関しては、デジタル化が進んできていると思いますが、まだ、市民からの情報をデジタル化して管理するというところまでは進んでいないように思われます。罹災証明書の発行についは電子申請が可能になっているということですが、個別の課題について直接被災者から情報を発信できるようにはなっていないようです。ただ、避難所での情報は担当者からデジタルで発信できるようにはなっているようです。また、神奈川県が広域で防災連携していこうという取り組みも始まっており、本市としてもその取り組みに参加しているということですので注視してまいります。もちろん、ただ新しい技術を導入すれば良いというわけではありません。あくまでも「DX」は「手段」であり、「目的」ではありません。「導入するべき技術が先なのではなく、変革すべき業務が先」であるということを忘れてはならないと思います。引き続き、市民のために必要な「防災DX」の充実を推進してまいります。

〇9月定例会が始まります

 9月定例会が8月29日(木)から9月26日(木)まで29日間の会期で予定されています。会議の予定は次のとおりです。すべての会議は傍聴できます。また、本会議は市議会HPからliveと録画で動画配信します。9月定例会は決算を審査します。

8/29本会議、9/2環境建設常任委員会、9/3文教市民経済常任委員会、9/4厚生常任委員会、9/5総務常任委員会、9/6基地政策特別委員会、9/17議会運営委員会、9/18から9/20本会議(一般質問)、9/24議会運営委員会、9/26本会議(予定は変更する場合があります)。

会議は9時からです、皆様の傍聴をお待ちしています。

No.304 令和7年度 国、県の施策・予算に関わる要望

本市は、来年度の国、県の施策・予算に関して、県に対して15件、国に対しては7件の要望を行いました。自民党神奈川県連政調会は、7月25日に大和市からのヒアリングを行い、本市選出の藤代ゆうや県議会議員(県連政調会筆頭副会長)ととともに大和市からの要望事項をお聞きししました。要望実現に向けて尽力してまいります。

〇県に対する要望

☆地域経済支援策の拡充について

 物価高騰により、地域商工業への負担は大きく増大しており、事業者にとっては業績の回復と経営の安定化が見込みにくい状況にあります。これにコロナ融資等の返済が重なると、経済状態はさらに悪化する恐れがあります。中小企業の事業と雇用を維持するため、現在県が実施している資金繰り支援制度の継続や内容の充実を図るとともに、物価高騰対策や賃上げ対策、生産性向上等に対して、より充実した事業者支援を行うことを要望します。

☆特別支援教育の充実強化について

 当市では、小中学校全28校に特別支援学級を設置しているほか、特別支援教育に関する専門性の高い機能を持ち、切れ目のない支援を推進する拠点として、「大和市特別支援教育センター」を設置するなど、特別支援教育の充実を図ってきました。障がいのある児童生徒一人ひとりに対応する教育をさらに推進するため、県として、通級指導教室の県費指導教員の増員、神奈川県立特別支援学校を当市内に設置することを含めた特別支援教育の充実を図ることを要望します。

☆交差点における安全対策について

 交差点で信号を待つ歩行者等が犠牲となる交通事故が発生しています。国道、県道の交差点における横断歩道と歩道の接続部などにおいて、歩行者の保護の必要性や緊急性が特に高いと判断される箇所を対象に、対衝突型の車止めを設置することを要望します。

☆国民健康保険制度の財政基盤の強化について

 国民健康保険の被保険者は、団塊世代の後期高齢者医療制度への移行に加え、社会保険の適用拡大により減少しています。所得を有する被保険者の減少により保険税収が減収となることに加え、一人あたり医療費が年々増加している中にあっては、継続的に保険税の引き上げが必要になるという新たな課題を生じさせています。このような状況から、国民健康保険制度の健全で安定した運営を維持するにあたり、国庫負担金を引き上げるなど、保険者の負担を軽減するように継続して国に働きかけることを要望します。

〇国に対する要望

☆基地周辺住民及び市への支援について

 人口密集地である当市に厚木基地が所在することに起因する、街づくりへの支障、航空機騒音や事件・事故に対する不安など、基地周辺住民の負担の解消に向けた取り組みをより一層進めることを要望します。また、様々な被害や負担を被っている基地周辺住民や当市への支援、補助及び周辺対策等を一層強化し、実情にあったものにするよう要望します。

☆下水道施設の整備について

 下水道施設は、公衆衛生の向上や公共用水域の水質保全などに寄与する、極めて公共性の高い社会資本です。このため、水質汚濁防止法では、国の責務として、地方公共団体が実施する生活排水対策に対し、財政上の援助に努めなければならないと明確に示されています。全国的に人口減少が進む中、施設の新設よりも既存施設・設備の管理、更新を適切に行い、延命化を図ることの重要性がますます高まることを踏まえ、今後も、下水道施設の改築更新に係る支援を十分に行っていくよう強く要望します。