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No.316 企業誘致に関する中村一夫の「一般質問(令和6年3月定例会)」より

質問

 古谷田市長が取り組むべき最大の課題は、本市財政の立て直しであります。本市に限ったことではありませんが、地方自治体、とりわけ市町村といった基礎自治体は、住民に最も近い行政機関として直接的に様々な市民ニーズに対応しなければなりません。しかしながら、その財源は必ずしも潤沢とは言えず、様々な市民ニーズに応えながら行政サービスを実施していくことは容易なことではないと思います。市長も恐らく初めての当初予算の編成に当たり、市議会議員のときと、そのあたりのギャップに相当御苦労されているのではと推察するところであります。財政の立て直しをするためには、結論的なことを言えば、歳入をいかに増やしていくか、そして、歳出をいかに抑えていくかということに尽きると思います。と口で言うのは簡単ですが、具体的にどうしていくかは大変難しいです。歳出を抑えていくということは、方向性を間違えてしまうと、またやり過ぎてしまうと市民サービスを低下させてしまうことになります。歳出を抑えていく、その目的は、より必要な市民サービスのために必要な財源を確保することであります。ですから、歳出の削減そのものが目的化しないように十分注意していただきたいと思います。そして、歳出の削減以上に重要なのは歳入の拡大であります。これも、ないところから取り立てるという考えではなく、利益のあるところに応分の負担をお願いするという考えが基本です。そのためにも、後で取り上げますが、企業を誘致していくということは極めて重要であります。これから中項目で3点質問いたしますが、いずれも本市の財政についてという大項目の中の中項目でありますので、大きいところで本市の財政をいかに立て直していくか、具体的には、いかに歳入を拡大し、歳出を削減するかについての市長のお考えをお聞きしたいというのが根底にあります。そこを踏まえた上で答弁をお願いします。それでは、まず中項目1として、市長のトップセールスについてお尋ねいたします。市長の施政方針の中で、積極的に企業誘致やトップセールスの実施を検討していくとありますが、トップセールスとは、市長自らがセールスマンとして大和市のために営業していくということです。大変難しいことです。会社であれば営業専門の部署があって、そこで営業戦略を立てて営業活動を行うわけですが、市には営業部も営業課もありません。トップセールスをするといっても市長が一人でできるわけではありません。会社で言えば営業部がするような仕事を一体どこが担当するのでしょうか。また、具体的にどういう計画、目標で行うのでしょうか、お尋ねします。また、積極的に企業誘致も検討するということですが、これも言うはやすし行うは難しです。企業活動振興条例を制定してから少しずつ効果が出ているとは言うものの、本市の法人市民税はたばこ税よりも少ないのが現状です。現在議会に上程されている来年度予算もそうです。本市は市域も狭く、人口密集地ですから、例えば大きい工場をどんと誘致して大きな財源を見込んでいくということが大変難しいです。交通の便がよいというのが本市のメリットではありますが、お隣の綾瀬市に東名高速スマートインターができて、綾瀬市も自動車交通の利便性は格段に高まってきています。また、海老名市は小田急も相鉄も大変力を入れて開発してきていて、今や本市に比肩するほどの交通の要衝になっています。何を言いたいかと言えば、従来本市のメリットとされてきたことも、今では近隣市に比べて圧倒的な優位性がなくなっているということです。そこに持ってきて、綾瀬市や海老名市は本市に比べて土地に余裕があります。こういったことを総合的に考えると、本市にとって企業誘致の環境は相当厳しいと言えます。特に歳入増としての企業誘致ということになれば、ある程度の規模の会社を誘致する必要があります。質問します。市長はどういう企業の誘致を考えているのでしょうか。具体的に念頭に置いている企業はあるのでしょうか。積極的にという表現を施政方針で使われていますが、具体的にどうやるのでしょうか。短期、長期的に法人市民税の税収を上げる具体的な目標値といったものはあるのでしょうか。御答弁をお願いいたします。
答弁(市長) 中村議員の御質問にお答えいたします。市内への企業誘致などの場面に、市長である私が直接出向くことで、何らかのプラスに効果を生むならば、積極的に出向きたいという私の思いは施政方針に盛り込まさせていただきました。実際にトップセールスに挑むに当たっては、議員御指摘のとおり、体制づくりをはじめ様々な準備が必要であり、セールスに関する具体的な計画や目標は今後検討してまいります。…市内への企業誘致につきまして、市では、平成30年4月に施行した大和市企業活動振興条例に基づく奨励金の交付等により、その活性化を図り、その後も条例の一部改正により、制度を充実するなどしながら、これまでに誘致の実績を積み上げてまいりました。具体的な企業を定めての誘致などは、現在行っている活動をさらに積極的なものに転じることとなり、実際にそれを行うに当たっては、種地となる土地やスペースの状況把握、企業の動向調査、それに当たる庁内の体制づくり等に係る様々な検討が必要であると考えております。それと同時に、三重県亀山市のテレビ工場誘致や、沖縄県うるま市のIT関連企業誘致、北海道北広島市のプロ野球チームの新球場誘致など、誘致に関する成功例なども参考にしていきたいと考えております。…税収アップの目標値などは、その誘致先の企業等が具体的に見えてきた場合、おのずと明らかになってくるものと考えます。さっきの繰り返しとなりますが、誘致の場面等に私が直接関わることで何かプラスが生じる場面があるならば、積極的に出向いていきたいと考えております。

○質問

 御答弁ありがとうございます。トップセールスに関しては、具体的な計画や目標は今後検討していくとのことです。また、トップセールスに関する姿勢についても、市長が出向くことで何らかのプラスの効果を生み出すならばといった答弁で、私がイメージしていたトップセールスとは少し認識の違いがあるようですが、でも、市長のお考え、御自分の言葉で熱心に答えていただいたので、ありがとうございます。ぜひ早急に取り組まれることを強く要望いたします。そのためにも、会社で言えば営業部のような組織をつくって、そこを中心に戦略的な企業誘致活動を積極的に展開することを改めて要望いたします。結局、トップセールス、積極的な企業誘致といっても、実際にそれを所管して実施するところがないとなれば、成果を期待することは難しいです。トップセールスも積極的な企業誘致も大賛成ですが、ぜひそれを実現できるような体制を整えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 

〇今年の取り組み

以上は、昨年3月定例会での私の「一般質問」からの抜粋です。企業誘致に関しても前向きな答弁となっています。あれから一年がたとうとしていますが、この一年どのような取り組みを行ってきたのでしょうか。もちろん、企業誘致は一朝一夕にはいきません。だからこそ、計画的な取り組みが必要なのです。今、大和市の財政は危機的な状況です。思い切った歳出削減も行う必要があるでしょう。しかし。「削減、削減」では大和市は市民にとって「住み続けたい街」でなくなってしまいます。歳出の削減とともに必要なのは、いかに「歳入」を増やしていけるかです。大和市の歳入の問題点は「個人」からの市税収入に偏っていることです。早急に企業からの増収が図れるためにも具体的な企業誘致政策を実施しなければなりません。今始めても、結果が出るまでにはある程度時間がかかってしまうと思います。しかし、始めなければ何もおこりません。未来の大和市のため、将来に向かって歳入の拡大を進めていくことを、今年はさらに強く議会から訴えていきます。

No.315 厳しい財政状況

地方自治体の財政は大変厳しい状況にあります。本市の場合も例にもれず、大変厳しい財政状況にあることが、昨年12月定例会でも明らかになりました。令和5年度末には約60億円あった財政調整基金(市の貯金)も、令和6年末には約40億円となり、このままの状態が続いていけば、数年で財政調整基金は底を尽きかねません。来年度(令和7年度)も税収不足が予想され、市は「本気」の財政再建を行うことが急務となっています。市の施策全体を見直して、削減できるものは思い切って削減することも必要ですが、あまりやりすぎてしまうと、市民サービスの低下となり、取捨選択も重要な課題です。現実問題として、歳出の削減は必要ですが、根本的な解決策として、税収を上げることを考えていかなければなりません。本市は、人口が増加している一方、企業の数は決して多いとはいえず、同規模の自治体である厚木市が、法人市民税から多くの税収を上げていることを考えれば、企業誘致は喫緊の課題であると考えます。

〇企業誘致を推進

企業誘致については、私も再三提案してまいりました。企業活動振興条例を制定し、一定の効果は上げてきましたが、まだまだ十分とはいえません。より積極的で、効果的な企業誘致を展開する必要があります。今年はさらに具体的な企業誘致を提案してまいります。

〇起業家の育成

企業誘致ともに重要なのは起業家の育成です。これも再三提案していることです。本市は、ベテルギウス内に起業家支援スペース(リゲル)を設けて、起業する方々を支援してきましたが、これでは全然足りません。さらに積極的な施策が求められます。大学などとも連携しながら、ITなどのベンチャー起業家の育成を推進してはどうでしょう。積極的に提案していきます。

〇国に対して「積極財政」への転換を求める

しかし、そのような努力を最大限したとしても、自治体のさまざまな住民サービスを自治体独自の財源で賄うことは、今後ますます困難になっていきます。財源を自治体に移譲することを求める方もいますが、そもそも地方にはそれほど財源となるものがなく、財源移譲で潤うのは東京などの大都市だけです。本来、全国民に等しく提供されるべき行政サービスは、国が責任を持って行うべきです。そのためにも、地方から国に対して「積極財政」への転換を求めていく必要があります。超党派で結成している「積極財政を推進する地方議員の会」は、党派を超えて、国に対して「積極財政」への転換を要望しています。私も会員として活動していますが、昨年2月22日に各政党に要望した「提言書」を添付しておきますので、是非お読み下さい。全国の同じ志の仲間とともに、引き続き国に対して働きかけてまいります。同様の趣旨で活動している「首長」の会もあり、古谷田市長にもこういった活動に加わってもらいたいと希望しています。

〇財政再建待ったなし

企業誘致も、起業家育成も、ましてや国の財政政策を転換させることなど、一朝一夕にできることではありません。だからこそ、待ったなしなのです。すぐにでも始めなければなりません。今年も議会でしっかり議論を尽くしてまいります。
まずはできることから始めていきます。

No.314 令和7年が始まりました

新しい年の始まりです。昨年は、元旦に石川県能登地方で地震が発生し、大変な年明けとなりました。平成23年(2011年)に、東日本大震災が発災してから今年で14年がたちますが、昨年8月までに震度6弱以上の地震は33回発生しています(東日本大震災を含む)。そのうち震度6強以上の地震は15回です。以下に列挙してみます。

2024年8月8日  16時43分   日向灘   М7.1  震度6弱
2024年4月17日 23時14分  豊後水道  М6.6  震度6弱 
2024年1月1日 16時10分   石川県能登地方 М7.6  震度7 ●
2023年5月5日 14時42分  石川県能登地方 М6.5 震度6強 ●
2022年6月19日 15時08分  石川県能登地方 М5.2 震度6弱
2022年3月16日 23時36分 福島県沖 М7.3 震度6強 ●
2021年2月13日 23時07分 福島県沖 М7.3 震度6強 ●
2019年6月18日 22時22分 山形県沖 М6.7 震度6強 ●
2019年2月21日 21時22分 北海道胆振地方中東部 М5.8 震度6弱
2019年1月3日 18時10分 熊本県熊本地方 М5.1 震度6弱
2018年9月6日 3時07分 北海道胆振地方 М6.7 震度7 ●
2018年6月18日 7時58分 大阪府北部 М6.1 震度6弱
2016年12月28日 21時38分 茨城県北部 М6.3 震度6弱
2016年10月21日 14時07分 鳥取県中部 М6.6 震度6弱
2016年6月16日 14時21分 北海道南西部・内浦湾 М5.3 震度6弱
2016年4月16日 9時48分 熊本県熊本地方 М5.4 震度6弱
2016年4月16日 3時55分 熊本県阿蘇地方 М5.8 震度6強 ●
2016年4月16日 1時45分 熊本県熊本地方 М5.9 震度6弱
2016年4月16日 1時25分 熊本県熊本地方 М7.3 震度7 ●
2016年4月15日 3時46分 熊本県熊本地方 М6.4 震度6強 ●
2016年4月14日 22時07分 熊本県熊本地方 М5.8 震度6弱
2016年4月14日 21時26分 熊本県熊本地方 М6.5 震度7 ●
2014年11月22日 22時08分 長野県北部 М6.7 震度6弱
2013年4月13日 5時33分 兵庫県・淡路島付近 М6.3 震度6弱
2011年4月12日 14時07分 福島県中通り М6.4 震度6弱
2011年4月11日 17時16分 福島県浜通り М7.0 震度6弱
2011年4月7日 23時32分 宮城県沖 М7.2 震度6強 ●
2011年3月15日 22時31分 静岡県東部 М6.4 震度6強 ●
2011年3月12日 5時42分 長野県北部 М5.3 震度6弱
2011年3月12日 4時31分 長野県北部 М5.9 震度6弱
2011年3月12日 3時59分 長野県北部 М6.7 震度6強 ●
2011年3月11日 15時15分 茨城県沖 М7.6 震度6強 ●   
2011年3月11日 14時46分 三陸沖  М9.0 震度7 ●
 
いつ来てもおかしくないと言われて久しい首都圏の地震災害。自治体としても防災政策は最も重要な政策の一つです。今年も実際的な防災政策を議会を通じて提案していきます。家族が一同に会する機会の多いこの時期に防災の備えを点検したり、避難場所の確認、非常時の連絡方法などを話し合っておくことをお勧めします。また、いざというときに備えて「大和市SOS支援アプリ」をダウンロードしておくことをお勧めします。