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No.318 犯罪被害者支援条例が上程されました

今定例会に「犯罪被害者支援条例」が上程されました。私は、これまでも犯罪被害者支援条例の必要性について訴えてきました。特に「振り込め詐欺」などの「特殊詐欺」被害が後を絶たない中にあって、被害に遭われた方に寄り添い支援することの重要性は益々高まっていると思います。令和5年9月定例会の「一般質問」でも次のように訴えました。
 『大和市は治安が悪いと市民の方々からよく御指摘を受けます。本市の令和4年の犯罪認知件数は約1200件でした。本市の犯罪認知件数のピークは平成15年で約6400件でしたが、防犯カメラを市内全域に設置したり、防犯灯をLED化したり、市民ボランティアの安全安心サポーター制度などを積極的に実施したりと防犯施策を次々と打ち出し、年々犯罪認知件数は減少してきています。しかし、今年はというと、1月から7月までの暫定値ではありますが、犯罪認知件数のうち刑法犯は952件で昨年度よりも304件、率にして46.9%増加しています。1日の平均発生数は4.5件です。中でも圧倒的に多いのは窃盗犯で、同じく今年1月から7月までの暫定値でありますが、755件、うち自転車の盗難が285件であります。そして、次に多いのが詐欺罪で、オレオレ詐欺などの特殊詐欺はうち30件となっています。これはまだ7月までの暫定値ですが、既に約6300万円もの被害が出ています。令和4年度の特殊詐欺は73件で被害額は1億1803万円でした。平成30年の117件、2億1200万円からは大きく減少したとはいうものの、これだけ広報、対策をしているにもかかわらず、いまだに1億円を超える被害が出ているということです。
 これだけの被害が出ているということは、それだけ被害者がいるということです。特殊詐欺の被害者の多くは高齢者であり、老後の資金としての蓄えを奪われたことに対しては、取られた金銭的被害以上の絶望感にさいなまれていることと思います。特殊詐欺の被害者は被害者であって、何も悪くはありません。ところが、特殊詐欺の被害者は、自分を責めてしまいます。また、場合によっては家族からも責められているかもしれません。ですから、こういったつらい状況にある方々に対して一体何ができるかを市としては真剣に考えていかなければならないと思います。
 犯罪被害者支援のためにまず大切なのは相談体制の充実強化であります。現在、犯罪被害者相談は市役所1階の市民相談課で受け付けています。以前、私が犯罪被害者相談を受け付けていることを分かりやすく示してほしいとお願いして、現在窓口には犯被害者相談のプレートが設置されています。ただ、ちょっと見にくいですし、ここで犯罪被害者の相談に対応してくれていると、どれだけの市民が知っているかは疑問であります。私は、引き続き犯罪被害者相談の充実強化に努めていただきたいと思っていますが、そのためには、被害者支援の法的根拠となる犯罪被害者支援条例を制定して条例に基づく支援を行っていくことが大切であると考えています』
私がこの問題に初めて言及してから、かれこれ10年ぐらいたつと思いますが、ようやく、市側も「思い腰」を上げてくれました。この条例が制定されることにより、本市もようやく「条例」という「法的根拠」を伴う犯罪被害者への支援の充実が図れると思います。期待しています

〇大和市立病院について

今定例会には、市の一般会計予算の他に三つの特別会計(国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療事業)と二つの企業会計(病院事業、下水道事業)についての予算案が提出されています。中でも病院事業会計は「赤字」会計となっており、来年度6億円程度の赤字が見込まれています。市は来年度病院事業会計に約15億円を一般会計から繰り入れていますが、それでも約6億円の赤字になってしまうというのが病院経営の実態です。実は、都市部の公立病院の経営はどこも厳しく、多くは赤字経営です。公立病院は、「不採算医療」の分野を担うなどの重要な役割がありますが、それゆえにも恒常的に赤字となる要素を持っています。本市の財政が厳しい中、これからも市立病院を今のような「公立病院」として経営していくかは、しっかり議論していかなければならないと思います。このことは、これまであまり議論されてきませんでしたが、重要なことであると思い、あえて質問しました(令和6年3月定例会)。

市立病院は地域の基幹病院で大切な病院であることは言うまでもありません。しかし、綾瀬市、座間市、海老名市といった県央4市の中でも、いわゆる市立病院を持っているのは大和市だけです。加えて市内には手術できる総合病院が複数あり、県央4市にも、市立ではありませんが、同程度の病院があります。また、近くには大学病院もあり、必ずしも本市が公立病院としての市立病院を今後も維持する必要性は低いのではないかと思います。来年度の病院予算も赤字予算です。いろいろ経営改善に御努力いただいていることには感謝していますが、本市に限らず都市部の公立病院を黒字経営することは極めて難しく、今後も市立病院を公立病院として経営するのであれば、財政的な負担をはじめかなりの覚悟が必要だと思います。私は、市立病院を大学病院とか民間の医療法人などに売却することも検討する時期に来ているのではないかと思いますが、いかがでしょうか、お考えを伺います』
『誤解のないように申し上げておきますけど、私は、現在の市立病院が不要であると申し上げているわけではありません。市立病院が今後も市立の病院でなければならないかと問うているのです。また、すぐに市立病院を売却するように求めているわけでもありません。ただ、民営化の可能性を排除するべきではないと言っているだけです。今回も市立病院に導入する高額な医療機器について議会に予算の承認が求められています。当然、よい医療を提供するためには、よりよい医療機器を導入することは必要です。また、病院施設もそろそろ建て替えを検討する時期に来ているのではないかと思います。いずれにしても、市立病院を運営していくためには大変なお金がかかります。お金ことを考えないで公立病院があったほうがよいかと聞かれれば、あったほうがよいに決まっています。ただ、一般会計からの繰入金なしで黒字経営をすることは不可能です。そして、様々な努力をしても、一般会計からの繰入金は今後も増えていくと思います。ある意味、市立病院の経営が赤字になるというのは、近隣に多くの病院があるから、医療体制が整っているからということでもあります。であれば、市立病院の在り方についても検討するべきではないでしょうか。すぐにとは言いませんが、市が今後も公立病院としての市立病院を運営していくべきかどうなのか、いわゆる聖域なしのあらゆる方面からの検討をされることを要望します』
私の質問に対しては、「市立病院をなくすのか?!」とのご批判もいただきましたが、「病院をなくせ」といっているわけではありません。将来的に「病院の運営形態を検討するべきでは?」との問題提起をしているのです。市立病院は外見はまだ綺麗ですが、結構老朽化しており、そろそろ建てかえのことも検討しなくてはなりません。そうすれば、また多額のお金がかかります。そういったことも踏まえて、慎重に検討を進めていくべきです。当然、それは市民を巻き込んだ議論とするべきです。行政サービスは「タダ」ではありません。これからも市立病院を「公立病院」として維持していくと決めたのなら、別の何かを我慢しなければならなくなるかもしれません。いずれにしても、これも私たちの街「大和」の重要な問題です。引き続き、何が本当に市民のためになるのかを考えながら市政に取り組んでまいります。

No.316 企業誘致に関する中村一夫の「一般質問(令和6年3月定例会)」より

質問

 古谷田市長が取り組むべき最大の課題は、本市財政の立て直しであります。本市に限ったことではありませんが、地方自治体、とりわけ市町村といった基礎自治体は、住民に最も近い行政機関として直接的に様々な市民ニーズに対応しなければなりません。しかしながら、その財源は必ずしも潤沢とは言えず、様々な市民ニーズに応えながら行政サービスを実施していくことは容易なことではないと思います。市長も恐らく初めての当初予算の編成に当たり、市議会議員のときと、そのあたりのギャップに相当御苦労されているのではと推察するところであります。財政の立て直しをするためには、結論的なことを言えば、歳入をいかに増やしていくか、そして、歳出をいかに抑えていくかということに尽きると思います。と口で言うのは簡単ですが、具体的にどうしていくかは大変難しいです。歳出を抑えていくということは、方向性を間違えてしまうと、またやり過ぎてしまうと市民サービスを低下させてしまうことになります。歳出を抑えていく、その目的は、より必要な市民サービスのために必要な財源を確保することであります。ですから、歳出の削減そのものが目的化しないように十分注意していただきたいと思います。そして、歳出の削減以上に重要なのは歳入の拡大であります。これも、ないところから取り立てるという考えではなく、利益のあるところに応分の負担をお願いするという考えが基本です。そのためにも、後で取り上げますが、企業を誘致していくということは極めて重要であります。これから中項目で3点質問いたしますが、いずれも本市の財政についてという大項目の中の中項目でありますので、大きいところで本市の財政をいかに立て直していくか、具体的には、いかに歳入を拡大し、歳出を削減するかについての市長のお考えをお聞きしたいというのが根底にあります。そこを踏まえた上で答弁をお願いします。それでは、まず中項目1として、市長のトップセールスについてお尋ねいたします。市長の施政方針の中で、積極的に企業誘致やトップセールスの実施を検討していくとありますが、トップセールスとは、市長自らがセールスマンとして大和市のために営業していくということです。大変難しいことです。会社であれば営業専門の部署があって、そこで営業戦略を立てて営業活動を行うわけですが、市には営業部も営業課もありません。トップセールスをするといっても市長が一人でできるわけではありません。会社で言えば営業部がするような仕事を一体どこが担当するのでしょうか。また、具体的にどういう計画、目標で行うのでしょうか、お尋ねします。また、積極的に企業誘致も検討するということですが、これも言うはやすし行うは難しです。企業活動振興条例を制定してから少しずつ効果が出ているとは言うものの、本市の法人市民税はたばこ税よりも少ないのが現状です。現在議会に上程されている来年度予算もそうです。本市は市域も狭く、人口密集地ですから、例えば大きい工場をどんと誘致して大きな財源を見込んでいくということが大変難しいです。交通の便がよいというのが本市のメリットではありますが、お隣の綾瀬市に東名高速スマートインターができて、綾瀬市も自動車交通の利便性は格段に高まってきています。また、海老名市は小田急も相鉄も大変力を入れて開発してきていて、今や本市に比肩するほどの交通の要衝になっています。何を言いたいかと言えば、従来本市のメリットとされてきたことも、今では近隣市に比べて圧倒的な優位性がなくなっているということです。そこに持ってきて、綾瀬市や海老名市は本市に比べて土地に余裕があります。こういったことを総合的に考えると、本市にとって企業誘致の環境は相当厳しいと言えます。特に歳入増としての企業誘致ということになれば、ある程度の規模の会社を誘致する必要があります。質問します。市長はどういう企業の誘致を考えているのでしょうか。具体的に念頭に置いている企業はあるのでしょうか。積極的にという表現を施政方針で使われていますが、具体的にどうやるのでしょうか。短期、長期的に法人市民税の税収を上げる具体的な目標値といったものはあるのでしょうか。御答弁をお願いいたします。
答弁(市長) 中村議員の御質問にお答えいたします。市内への企業誘致などの場面に、市長である私が直接出向くことで、何らかのプラスに効果を生むならば、積極的に出向きたいという私の思いは施政方針に盛り込まさせていただきました。実際にトップセールスに挑むに当たっては、議員御指摘のとおり、体制づくりをはじめ様々な準備が必要であり、セールスに関する具体的な計画や目標は今後検討してまいります。…市内への企業誘致につきまして、市では、平成30年4月に施行した大和市企業活動振興条例に基づく奨励金の交付等により、その活性化を図り、その後も条例の一部改正により、制度を充実するなどしながら、これまでに誘致の実績を積み上げてまいりました。具体的な企業を定めての誘致などは、現在行っている活動をさらに積極的なものに転じることとなり、実際にそれを行うに当たっては、種地となる土地やスペースの状況把握、企業の動向調査、それに当たる庁内の体制づくり等に係る様々な検討が必要であると考えております。それと同時に、三重県亀山市のテレビ工場誘致や、沖縄県うるま市のIT関連企業誘致、北海道北広島市のプロ野球チームの新球場誘致など、誘致に関する成功例なども参考にしていきたいと考えております。…税収アップの目標値などは、その誘致先の企業等が具体的に見えてきた場合、おのずと明らかになってくるものと考えます。さっきの繰り返しとなりますが、誘致の場面等に私が直接関わることで何かプラスが生じる場面があるならば、積極的に出向いていきたいと考えております。

○質問

 御答弁ありがとうございます。トップセールスに関しては、具体的な計画や目標は今後検討していくとのことです。また、トップセールスに関する姿勢についても、市長が出向くことで何らかのプラスの効果を生み出すならばといった答弁で、私がイメージしていたトップセールスとは少し認識の違いがあるようですが、でも、市長のお考え、御自分の言葉で熱心に答えていただいたので、ありがとうございます。ぜひ早急に取り組まれることを強く要望いたします。そのためにも、会社で言えば営業部のような組織をつくって、そこを中心に戦略的な企業誘致活動を積極的に展開することを改めて要望いたします。結局、トップセールス、積極的な企業誘致といっても、実際にそれを所管して実施するところがないとなれば、成果を期待することは難しいです。トップセールスも積極的な企業誘致も大賛成ですが、ぜひそれを実現できるような体制を整えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 

〇今年の取り組み

以上は、昨年3月定例会での私の「一般質問」からの抜粋です。企業誘致に関しても前向きな答弁となっています。あれから一年がたとうとしていますが、この一年どのような取り組みを行ってきたのでしょうか。もちろん、企業誘致は一朝一夕にはいきません。だからこそ、計画的な取り組みが必要なのです。今、大和市の財政は危機的な状況です。思い切った歳出削減も行う必要があるでしょう。しかし。「削減、削減」では大和市は市民にとって「住み続けたい街」でなくなってしまいます。歳出の削減とともに必要なのは、いかに「歳入」を増やしていけるかです。大和市の歳入の問題点は「個人」からの市税収入に偏っていることです。早急に企業からの増収が図れるためにも具体的な企業誘致政策を実施しなければなりません。今始めても、結果が出るまでにはある程度時間がかかってしまうと思います。しかし、始めなければ何もおこりません。未来の大和市のため、将来に向かって歳入の拡大を進めていくことを、今年はさらに強く議会から訴えていきます。

No.315 厳しい財政状況

地方自治体の財政は大変厳しい状況にあります。本市の場合も例にもれず、大変厳しい財政状況にあることが、昨年12月定例会でも明らかになりました。令和5年度末には約60億円あった財政調整基金(市の貯金)も、令和6年末には約40億円となり、このままの状態が続いていけば、数年で財政調整基金は底を尽きかねません。来年度(令和7年度)も税収不足が予想され、市は「本気」の財政再建を行うことが急務となっています。市の施策全体を見直して、削減できるものは思い切って削減することも必要ですが、あまりやりすぎてしまうと、市民サービスの低下となり、取捨選択も重要な課題です。現実問題として、歳出の削減は必要ですが、根本的な解決策として、税収を上げることを考えていかなければなりません。本市は、人口が増加している一方、企業の数は決して多いとはいえず、同規模の自治体である厚木市が、法人市民税から多くの税収を上げていることを考えれば、企業誘致は喫緊の課題であると考えます。

〇企業誘致を推進

企業誘致については、私も再三提案してまいりました。企業活動振興条例を制定し、一定の効果は上げてきましたが、まだまだ十分とはいえません。より積極的で、効果的な企業誘致を展開する必要があります。今年はさらに具体的な企業誘致を提案してまいります。

〇起業家の育成

企業誘致ともに重要なのは起業家の育成です。これも再三提案していることです。本市は、ベテルギウス内に起業家支援スペース(リゲル)を設けて、起業する方々を支援してきましたが、これでは全然足りません。さらに積極的な施策が求められます。大学などとも連携しながら、ITなどのベンチャー起業家の育成を推進してはどうでしょう。積極的に提案していきます。

〇国に対して「積極財政」への転換を求める

しかし、そのような努力を最大限したとしても、自治体のさまざまな住民サービスを自治体独自の財源で賄うことは、今後ますます困難になっていきます。財源を自治体に移譲することを求める方もいますが、そもそも地方にはそれほど財源となるものがなく、財源移譲で潤うのは東京などの大都市だけです。本来、全国民に等しく提供されるべき行政サービスは、国が責任を持って行うべきです。そのためにも、地方から国に対して「積極財政」への転換を求めていく必要があります。超党派で結成している「積極財政を推進する地方議員の会」は、党派を超えて、国に対して「積極財政」への転換を要望しています。私も会員として活動していますが、昨年2月22日に各政党に要望した「提言書」を添付しておきますので、是非お読み下さい。全国の同じ志の仲間とともに、引き続き国に対して働きかけてまいります。同様の趣旨で活動している「首長」の会もあり、古谷田市長にもこういった活動に加わってもらいたいと希望しています。

〇財政再建待ったなし

企業誘致も、起業家育成も、ましてや国の財政政策を転換させることなど、一朝一夕にできることではありません。だからこそ、待ったなしなのです。すぐにでも始めなければなりません。今年も議会でしっかり議論を尽くしてまいります。
まずはできることから始めていきます。