我が国は民主主義の国です。ですから、我が国の政治は、国民の意思を反映したものでなければなりません。したがって、私たちは、選挙により「代表」を選び、自らの政治的意思を行使することにしたのです。地方自治体においては、首長(行政)と議員を共に市民(住民)が直接選ぶいわゆる「二元代表制」を採用しました。つまり、地方自治体には、首長と議会という二種類の代表が存在しています。
では、首長と議会のどちらが市民の「意思」をより正しく代表していると考えるべきでしょうか?私は、「議会」がより市民の「意思」を代表している「機関」であると考えます。なぜなら、どんなに優れた首長とはいえ、一人の人間が23万人以上の大和市民とその多様な価値観を代表することは不可能であるからです。だからこそ、我が国の地方自治制度は、「決める」権能と、決まったことを正しく執行しているかを「チェック」する権能を、より正確に市民の意思を反映できる議会に対して付与したのであります。
そして議会が議決したことは、民主主義的に市民の「意思」を代表していると「擬制」されたのであります。そのことを、大和市議会基本条例第2条第1号は「議決により、市の意思決定を行うこと」と規定しました。市民の「意思」つまり市の「意思」は、議会の議決により行われるのです。
では、現在の大和市議会は、本当に十分に市民の「意思」を反映しているといえるでしょうか?議決のプロセスは、十分に市民の前にあきらかになっているでしょうか?議会は法的にも期待されている「役割」を十分に果たせているでしょうか?私は、大和市議会が真に「市民のための議会」になるためには、まだまだ改善(改革)しなければならないことが多くあると思っています。
議会が(議員が)特定の地域や団体の利害の「代表」なら(残念ながら、そう思っている人もいるようです)「市民の総意を代表するような機関」としての「議会改革」は不要かもしれません。しかし、大和市議会基本条例が意図したような「市の意思決定機関」になるためには、「議会改革」は重要かつ喫緊のテーマなのです。
(2)何を改革するか?
では、そのためには何をどう改革するべきなのでしょうか?私は議会が市民(市)の「意思」を代表する機関になるためには、市民(市)の「意思」の「あらわれ」である市のルール(条例)を制定できるような、自治体の「立法機関」になることが必要だと考えています。
大和市議会では(多くの自治体も似たりよったりですが)、議員提案による条例はほとんどありません。議会の最も重要な「役割」の一つが市民(市)のために必要なルールを制定することであるというのに、議員が提案する条例がほとんどないということは驚くべき現実です。私が平成24年12月議会で作った「大和市商業振興条例」は議員提案の経済政策条例としては、本市「唯一」のものです。半世紀以上の大和市議会の歴史の中で議員提案の経済政策条例が、「たった一つ」しかないということが、議会が「立法機関」としてまだ確立されていないことを物語っています。
国政の場では政策と法律案は「セット」です。ところが、地方自治体では条例案を伴う政策はほとんどありません。地方議会も、もっと議会が「決める役割」を担っていることを真剣に考え、積極的に市民の「意思」を吸い上げ、市民の「意思」を実現するための政策を「条例化」していくことができなければなりません。そのためには、議会の「法制」作業をサポートする体制を整えることも必要です。議会が市民(市)の「意思」を反映する組織として成長するために、議会が真の「立法機関」となるべく「改革」を推進しなければなりません。
2.行政のチェック機能
議会には行政執行のチェック(監視)機能があります。特に予算を定め、決算を認定することは、議会の最も重要な「役割」です。現在も、大和市議会では、長い時間をかけて、それぞれの常任委員会で予算・決算の審議をしていますが、委員会での審議のやり方も含めて、改善すべき点は多々あります。
私は、ことに予算・決算の審議については、従来の常任委員会ごとの審議ではなく、予算・決算審議に特化した予算委員会・決算委員会を設置するべき考えています。特に予算は首長の「政策」そのものです。それが本当に市民(市)のためになる「政策」かを、議会としてチェックすることが予算審議の本質です。議会はこの面でもさらなる改革が必要です。
(3)議会改革に向けて
このほかにも議会には改革すべき点が多くあります。それは、「大和とその市民のため」の改革であり、私の「大和主義! !」です。その、「改革」を阻んでいる最も高い「壁」が、前号(68号)でも書いた「全会一致」の慣習です。議会を市民の手に取り戻すためには、まずこの「全会一致」の悪習をやめなければなりません。「壁」は高く険しいですが、がんばります!!「議会改革」についての皆様のご意見を是非お聞かせ下さい!