地域経済活性化のために、なぜ、「商業」分野から手を付けようと思ったかは前号に書きました。それでは、どうすれば、地域経済活性化につながる商業振興政策を行えるでしょうか?
私は、そのためには
(1)目標を明確にすること
(2)その目標を達成するための具体的で実効力のある「計画」を立てること
(3)その計画を推進するための「組織」
が必要であると考えています。
そこで、まず「商業振興条例」を作り、その「目的」を示しました。そして、その目的(目標)を達成するための「計画」の策定を市行政に求め、平成26年4月から「商業戦略計画」が実行されています。前号でも書きましたが、この「計画」は私としてはまだ不満足な内容です。
行政側とも大分意見を闘わせました。しかし、「まずは少し見守っていて欲しい」という行政側の意見も「それもそうだ」なので今少しその成果を含め見守っているところです。次に必要なこと、それは(3)の計画を推進する「組織」です。私はこの「推進組織」が商業振興政策を実効力のあるものにするためには、もっとも重要なものであると考えています。
○(仮称)商業振興推進会議の設置について
「条例」を作っても「計画」を作っても、それが実行されなければ何にもなりません。しかし、条例にしても計画にしても行政機関が権力的に執行しても効果はありません。つまり、実際に大和市の商業等に関わっている事業者を巻き込んで行われなければならないのです。私がイメージしている「(仮称)商業振興推進会議」は次のようなものです。
まずメンバーとしては、市担当職員、市議会議員、商工会議所などの地域経済団体の代表、商業者等、学識経験者に加え「市民」の代表つまり「消費者」の代表を入れます。とかく、この種の会議は「内輪」でやってしまうことが多いので、結果として、肝心の「消費者」の声が反映されない内容になってしまうことが多々あります。商業振興の主役は実は「商業者等」ではなく、「消費者(お客様)」です。「お客様」のニーズをいかに捉えられるかが、「商業振興」政策の「カギ」なのです。自治体のこの種の政策に最もかけている「市民(消費者=お客様)」の意見を反映させることができるようにすることがまず大切です。
「学識経験者」ですが、この人選も大切で、成功不成功の大きなキーマンがこの「学識経験者」です。そのためには、まず「モデル」としたい事例を研究し、その事例を成功に導いた人(リーダー)を「学識経験者」つまり「専門家」として招聘して「そのこと」を実行してもらうのです。単に、大学教授という「肩書き」だけで、「そこそこの先生」に来ていただくのでは、商業振興などとても成功しないといっておきます。
同様に地域経済団体の代表や「商業者等」もいわゆる「当て職」ではなく、商業振興に意欲的な経営者に参加してもらうことが重要です。いずれにしても、「組織」を動かすのは「人」であり、「推進会議」が成功するか否かは、大きくその人選にかかっているのです。
次に会議の進め方ですが、しかるべき(有能な)「ファシリテーター」によって会議を進めてもらうことが必要です。「(仮称)商業振興推進会議」はまさしく「推進」するための会議なのですから、「会議のための会議」となってしまってはだめです。「計画」に盛り込まれている一つ一つをどのように実行できるかを検討し、決まったことはすぐに実行に移せるようにしなければなりません。
とかく「できないことばかり」を議論してしまうこの種の会議ですが、「どうすればできるか」といった視点で実行していかなければなりません。そのためには、ファシリテーターの能力に加えて、市、市議会、商工会議所などの協力が必要であり、市、市議会、商工会議所からの委員はその出身母体の積極的な協力を求めていかなければなりません。
○今後の方向性について
大和市の商業振興政策は、条例→計画と進んで来ました。次は、この「推進会議」をいかに組織し、条例と計画を執行して行くかという場面になりました。私は、この「組織」の必要性について、何度も訴えてきましたが、市の態度は未だ「組織は作らない」といところから動いていません。
「組織を作っても…」という否定的なことをいうのであれば、それに代わる良い方法がなければなりませんが、それもありません。大和市の商業政策は今、大事な局面に来ております。私、中村一夫は「市民生活の向上と地域社会の持続的な発展」に寄与するための地域商業振興に向けてこれからも尽力してまいります。皆様のご意見を是非お寄せ下さい。