選挙のたびごとに低下する「投票率」。今年4月に行われた大和市議会議員選挙は投票率が40.8%と5割にも及ばない低投票率でした。このままでは民主主義の根幹が崩れてしまいます。議会としては、毎回の投票率が下がっていることを決して「よそ事」とするわけにはいきせん。なぜなら低投票率の理由の一つは間違いなく「議会そのもの」にあるからです。そういう意味でも「議会改革」は急務であります。今回は大和市議会の「議会改革」の取組みについて。そして「議会改革」を阻むもの、さらにはどうやって「議会改革」を進めていけるかを考察します。
「議会改革」これまでのあゆみ
前任期中の「議会改革」の特筆すべきこととしては議会基本条例の成立・施行をあげることができます。議会基本条例は、平成24年2月8日に議会基本条例検討協議会が設置され、約1年半、合計32回の会議を重ね、パプリックコメントや市民説明会などを開催させていただきながら、平成25年12月定例会で成立しました。そして、平成26年1月1日から施行されています。私は、同協議会の副会長を務めさせていただき、条例の成立に尽力してまいりました。この条例ができて大和市議会ではどのような改革が始まっているのでしょうか。いくつかの点をご紹介します。
1.請願・陳情で「意見陳述」を行えるようになりました
市民の皆様の重要な政治参加の「権利」である請願・陳情。基本的に書面審査なので、提出されている書類を審査して、採択・不採択を決めています。しかし、請願者・陳情者の「おもい」をより良く反映できるようにするため、請願者・陳情者が希望された場合、審議される委員会の「会議中」に請願者・陳情者の「意見陳述」を可能としました。こういった「権利」を認めている議会はまだそれほど多いわけではなく、大和市議会の「議会改革」の一つの成果であります。以来、多くの方がこの拡大されたこの「権利」を活用し、結果として多くの請願書・陳情書が採択されています。是非、皆様もこの「権利」をご活用下さい。
2.議会との「意見交換会」が行えるようになりました。
大和市議会と様々な団体、市民の皆様と「議会」としての「意見交歓会」が行えるようになりました。これまでも、議員個人や政党・会派としての「意見交換会」が行われてきました。しかし、今回は「議会」として「意見交換会」を行います。昨年度は4つの常任委員会すべてが「意見交換会」を実施しました。いただいた貴重なご意見は、今後の市政に活かしてまいります。
3.「議会改革」の組織の設置
議会として「議会改革」を継続して進めていくために「議会改革ための組織」の設置が明記されました。この規定を受けて昨年度は「議会改革実行委員会」が組織され、私は副委員長に就任しました。今任期も早期に委員会を再組織し、継続して「議会改革」を進めてまいります。
「議会改革」を阻むもの
このように「議会改革」を進めていますが、「議会改革」がなかなか進まないというのも事実です。次に「議会改革」を阻むものについて考察します。
1.「全会一致の原則」というルール
大和市議会には議会運営や議会改革に関して、「全会一致の原則」という大きなハードルがあります。つまり、一つのことを「改革」しようとしても委員の内一人でも「反対」の委員があれば、それは廃案になってしまうのです。これでは、肝心にことはなかなか「改革」できません。この「全会一致原則」を変えることが「議会改革」の「一丁目一番地」です。ところが、「全会一致原則」を変えるためには原則「全会一致」でなければならないという、なんとも困った「原則」に大和市議会は支配されています。しかし、これを変えなければ。何事も先に進みません。「決められない」議会は市民から見放されてしまいます。前任期中もこの「原則」と戦い続けてきました。今任期も最初からこの「原則」と戦闘態勢です。なんとしてもここは「改革」しなければなりません。厳して戦いですが、頑張ります! !
2.「代表者会」の改革
大和市議会は「会派制」を採用しており、各会派は二名以上の議員によって構成されています。現在は、私たち自民党・新政クラブの10名から2名で構成している会派まで大小6つの会派があります。代表者会とは各会派の代表者と正副議長で構成する会議で、議会の正式な会議ではありません。本来は、各会派の連絡・調整機関であったはずの「代表者会」がいつのまにか、事実上の議会の最髙機関のような形になってしまっています。しかも、この代表者会も「全会一致原則」で運営されています。したがって、一つの会派でも反対すれば廃案です。「議会改革」を実現するためにはこの「代表者会」を改革しなればなりません。
「議会改革」の今後
「議会改革」を進めるためには、この「全会一致の原則」を改革しなければなりません。しかし、先に書いたように「全会一致の原則」を変えるためには「全会一致」。これでは永久に改革ができません。しかし、「全会一致」は本来「原則」のはずです。「原則」なら「例外」があるはずなのです。ですから、「全会一致」を「原則」としながらも、「例外」として「多数決」をとることは可能です。前任期中、このことは「確認」しました。しかし。なかなか運用においては実施できなかったといのがこれまでの実状です。今任期は、「例外」(しかし、こっちが本当は「民主主義の原則」)が適切に実行できるようにさらにに厳しい戦いを続けます。大和市議会が、市民の皆様に信頼され期待される議会となるためにはなんとしても実現させなければなりません。私は「議会改革」は市民の皆様のために行われるべきものと確信しています。今後とも頑張ってまいります。皆様のご意見をお聞かせ下さい。