作成者別アーカイブ: yoshioka

No.297 「こども政策」の新たな展開

現在、我が国が抱える最も深刻な問題の一つは間違いなく「少子化」です。「少子化」は将来にわたって我が国の人口を減少させることになりますから、社会機能を維持していくこと「そのもの」に大きな影響を与えます。まさに「国難」と呼ぶべき問題です。国も「少子化対策」にはこれまで多くの政策を試みてきましたが、なかなか「上手くいってこなかった」というのが現実です。このような社会状況を踏まえて、国は新たな「こども政策」を実施します。それが、昨年4月にできた「こども家庭庁」、そして同じく4月に施行された「こども基本法」です。「こども家庭庁」創設、「こども基本法」施行から1年が経過しました。今回は、「こども政策」の新たな展開について考えてみたいと思います。

〇「こども政策」の基本理念

令和3年12月21日に閣議決定された「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針(以下、「基本方針」という。)」には6つの基本理念が掲げられています。
(1)こどもの視点、子育て当事者の視点に立った政策立案(2)すべてのこどもの健やかな成長とウェルビーイングの向上(3)誰一人取り残さず、抜け落ちることのない支援(4)制度や組織による縦割りの壁、年齢の壁を克服した切れ目のない包括的な支援(5)プッシュ型支援(物質的支援)、アウトリーチ型支援(訪問支援)への転換(6)データ•統計を活用したエビデンスに基づく政策立案、PDCAサイクル(評価、改善)です。これらの理念のもと、こども家庭庁は、総理直属の機関として各省大臣に対する勧告権等を有する大臣のもと、こども政策に関する企画・立案・総合調整機能を一元的に所管することになりました。また、こども政策に関して多省に属しない事務を担い、各省庁の間で抜け落ちることがないよう必要な取組みを行うとともに、新規の政策課題にも取り組むことになっています。

〇「こども基本法」の施行と地方自治体の役割

昨年4月1日、「こども家庭庁」の創設と同時に施行されたのが「こども基本法(以下、「法」という)。」です。この法は議員立法により成立したものですが、第一条で「この法律は、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して、社会全体としてこども施策に取り組むことができるよう、こども施策に関し、基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及びこども施策の基本となる事項を定めるとともに、こども政策推進会議を設置すること等により、こども施策を総合的に推進することを目的とする」として立法の目的を明示しています。国は「法」に基づいて「こども大綱」を策定することになっており(法10条)、昨年12月22日に閣議決定されています(こども家庭庁のホームページでご覧になれます。)。そして、都道府県は、国の「大綱」を勘案して「都道府県こども計画」策定し、市町村は国の「大綱」と都道府県の「こども計画」を勘案して「市町村こども計画」を策定することが努力義務化されました。神奈川県は、国の「大綱」をふまえて本年3月より「こども計画」の審議を始めています。大和市が「こども計画」を策定するのは、県の計画が策定されてからになります。法では市町村の「計画」策定は「努力義務」となっていますが、是非、大和市も「こども計画」を策定するように促してまいります。加えて、法11条によって地方自治体には、こども施策の策定・実施・評価をするにあたっては、こどもや若者、子育て当事者等の意見を聴き、政策に反映させるために「必要な措置」を講じることが「義務づけ」られました。「計画」を策定するのも、「必要な措置」を設けるのも「行政」ですが、議会としても注視してまいります。いずれにしても、「こども政策」の具体的な実施を中心的に担っているのは地方自治体です。「こどもまんなか」社会を実現するために、引き続き行政と協力しながら政策を進めていきます。

〇「こども思いやり条例(仮称)」について

先日「駅頭活動」していたときに、ある女性の方から「ベビーカーを邪魔にしない条例を作って欲しい」といわれました。なるほど、「子育て支援」というと「無償化」とか「施設」とか予算を伴う事業ばかりを考えがちです。もちろん、そういった施策は大切ですが、「子育て」に「親切」な社会を作っていこうという働きかけも大切だと改めて気づかされました。「ベビーカー」に限らず、子育てされている方々への「思いやり」といった目に見えない「支援」を啓発できるような条例についても検討したいと思います。是非、子育て当事者の皆様のご意見をお聞かせ下さい。

〇「こども常任委員会」について

大和市議会には、4つの常任委員会があって、それぞれの「所管」をもっています。こどもに関わるものとしては、教育委員会に関することは「文教市民経済常任委員会」が、こども部に関するものは「厚生常任委員会」が所管しています。私は、こどもに関する事業を所管する委員会が分かれているというのは好ましくないと思っています。それで、現在の常任委員会を再編して、教育委員会とこども部を所管する「こども常任委員会」を創設したいと考えています。今年度、大和市議会は「議会改革」の委員会を設置して、議会改革に関する協議を行います。是非、「こども常任委員会」の創設を協議して、実現させたいと思っています。

No.296 令和6年度予算が成立しました

3月22日(金)、大和市の令和6年度予算が成立しました。予算の規模は概ね次のとおりです。予算総額は約1,572億4千万円。その内一般会計は、約871億8千万円、国民健康保険事業特別会計は、約214億5千万円、介護保険事業特別会計は、約197億3千万円、後期高齢者医療事業特別会計は、約39億7千万円、下水道事業会計(企業会計)は、約100億2千万円、病院事業会計(企業会計)は、約140億6千万円です。

〇一般質問より(詳細は市議会HPから動画をご視聴頂けます)

★ゆとりの森にドッグランを!!

ゆとりの森にドッグランの設置を提案しました。令和3年12月定例会での私の質問に対しては、「現時点では予定していない」という「つれない」ものでしたが、今回は大きく前進して、「実施に向けて検討していく」という答弁になりました。これで、ゆとりの森にドッグランが設置されることがかなり現実的な話になりました。本市には、令和5年12月末時点で11,294頭の犬がいます。現在は一カ所しかドッグランがないので、市外の施設を利用されている方も多いと聞いています。ゆとりの森公園にドッグランが開設されれば、愛犬家の方々に喜んでいただけるものと思います。早期の実施を重ねて要望しました。

★給食費無償化について

昨年6月の定例会に続いて、給食費無償化の実現を再度質問しました。昨年6月定例会での答弁は、「現時点で無償化の予定はない」というものでした。今回も残念ながら大きく前進することはありませんでしたが、「学校給食の無償化については、重要な課題である」との答弁もあり、「課題意識」は共有出来ました。また、昨年の答弁には無かったことですが、「国等に対し、財政措置を行うよう要望していく」という答弁も加わり、国に給食費無償化を働きかけていくという考えが示されました。私からは、「段階的」な実施をしていくことも求めましたが、「実施可能な施策を検討していく」という答弁に止まりました。昨年よりは少し前進したとは思いますが、実施までにはまだまだ「ハードルが高い」感じです。その理由として、市は給食費無償化の施策を、「経済的な子育て支援」といった考えから一歩も出ていないということを指摘させていただきました。経済的に厳しいご家庭等への給食費の支援は現在もある程度行われていますから、この観点からだけであれば、大和市は「もうやっている」ということになります。私は、単に現状追認の経済的支援に止まらずに、将来を見据えた「少子化対策」として実施することを提案しました。我が国が抱える「少子化問題」は極めて深刻です。「少子化対策」として人口増をめざすためには、「ここまでやらなければならない」いや「もっといろいろやらなければならない」と思います。今、我が国が「何が何でも」やらなければならないことは、「安全保障」と「少子化対策」です。いずれも、国の存亡に関わる重大事です。単に、「給食費」をタダにするとかしないとか、「矮小的」な議論にするのではなく、「国家の重大事」として認識する必要があります。引き続き、私の最重要政策として給食費の無償化を推進していきます。

★企業誘致について

市の歳入を拡大していくためには、企業誘致は重要です。今定例会で行われた市長の施政方針演説の中でも、企業誘致を積極的に検討といくということが語られました。それで、具体的にどのように行っていくのか質問させていただきました。ところが、「具体的な計画、目標は今後検討していく」という市長答弁でした。つまり、具体的なことはまだ何もないようです。企業誘致、特に市の歳入増のための企業誘致は大変難しいことです。現時点では具体的な考えがないようので、早急に取り組まれることを強く要望しました。

★シリウスについて

シリウスは、本市を代表する施設ですが、毎年、約10億円の経費がかかっています。本市一般会計は令和6年度約871億円です。経費の削減や収入のあがる事業など、根本的にシリウスの運営を見直すべきではないかと質しました。答弁としては、次期指定管理者の更新時期に合わせて、運営方法を精査し、できる限り収益確保に向けた取組みの検討も併せて行っていくというものでした。シリウスの指定管理者は、開館以来一つの団体が行っており、本来の指定管理制度の在り方からしても課題があると思っています。ひきつづき、シリウスが市民に愛される施設として継続的に運営されるように議会からも運営方法をチェックしてまいります。

★市立病院について

大和市立病院は、令和6年度も赤字予算となっています。つまり、最初から「赤字」を前提で経営するということです。実は、「黒字」と言われていた年も、市の一般会計から「繰入金」があったから「黒字」だったのであり、純粋に病院事業単体で黒字経営となることは大変難しいことです。これは、大和市立病院に限らず、都市部の公立病院共通の課題です。その背景としては、都市部には大学病院を始め、病院がたくさんあるということも理由の一つです。市立病院は大切な病院ですが、これからも「公立」として維持することが本当に必要なのか、これまで議会でも触れられなかった課題に切り込みました。是非、市民の皆様も「自分のこと」としてお考えいただきたいと思います。

No.295 大和市議会第1回定例会・厚生常任委員会

3月1日。私が所属する厚生常任委員会は委員会を開催し、本定例会に上程されている令和6年度予算案を審査しました。委員会での私の質疑の抜粋です。詳細については、市議会のホームページから議事録をご覧下さい。

★病児保育事業について

(中村)病児保育事業は、来年度は広域連携をどのように進めていくのか。

(ほいく課長)広域連携は今年度から動き出したので、令和6年度の2年度でいきなり大きな方向性を変える予定はない。引き続きこれまで連携してきた関係性をより強化していきたい。それとは別に、当初スタート時点の市町村以外のまだ連携できていない市等との連携に向けて調整していきたい。

(中村)大和市は交通の便がいいので、例えば、清川村、愛川町と連携しているが、大和市民がむこうの施設を使うよりも、大和市の施設を他市の人が利用することが多いと思っている。広域連携で他市の人たちには利便性が高まったが、大和市にとってはあまりメリットがなく、かえって大変になる。広域連携が大和市にとってもメリットになることを考えなくてはならないと思う。今年度から始まったのですぐに大きな変化はないかもしれないが、大和市民が他市の施設を利用していることと、他市の人が大和市の施設を利用しているのとはどちらが多いのか。

(ほいく課長)詳細は持ち合わせていないが、大和市民が市外の病児保育施設を使う数に比べて、圧倒的に市外の方が本市の施設を使う数が多い。

(中村)利用実績に合わせて他市からの交付金等はあるのか。

(ほいく課長)利用実績に応じた負担金で協定を結んでいる。

(中村)今年は2 年目で周知されてくると思うので、利用されることはいいが、大和市民も他市の施設が利用できることを周知、啓発願いたい。また、今後の課題ではあるが、以前からネットを使ったスマホ等で予約がとれるシステム導入の話があり、広域連携できたら考えるとの話がずっとあったが、ネットを使った予約システムの導入の検討は進んでいるのか。

(ほいく課長)民間の病児保育室はそれぞれの事業者となるが、市の委託事業で行っている病児保育室ぽかぽかは、LINEを使った予約システムの今年度中の稼働を目指して、今鋭意準備を進めている。

※ 本市と病児保育事業広域連携をする自治体は、厚木市、海老名市、綾瀬市、座間市、愛川町、清川村の5市1町1村である。

★ヤングケアラー支援事業について

(中村)支援を必要としているヤングケアラーは市内にどのくらいいると想定しているのか。

(すくすく子育て課長)把握していない。

(中村)ヤングケアラー自体が潜在的であることと、言い出しにくい話もあり、本人がヤングケアラーだと気づいていないこともある。…学校との連携、協力を願いたい。ヤングケアラー支援は来年度からなのか。

(すくすく子育て課長)これまでも行ってきた。4月以降は、国の制度改正により明確化されてきたので、よりしっかりと取り組んでいく形を想定している。引き続き頑張っていきたい。

★産後ケア事業について

(中村)産後ケア事業は、ショートステイ型が新しく始まり、実施機関は4か所であるが、4か所を教えてもらいたい。

(すくすく子育て課長)実施機関は、市内の市立病院、愛育病院、市外の堀病院、メディカルパーク湘南を想定している。

(中村)サービス提供は1泊2日以上と書いてあるが、一人何回まで利用できるのか。上限はあるのか。

(すくすく子育て課長)宿泊の場合は1泊2日からになるが、1泊2日は2回とカウントする。デイサービス等も含めて一人7回までの制度としている。

(中村)ショートステイだけ7回上限で利用しても良いのか。

(すくすく子育て課長)そのとおりである。

※ 宿泊型の産後ケア制度については、私が一般質問等で求めてきたことであり、新年度から実現します!!