カテゴリー別アーカイブ: 大和主義!!リポート

No.264 「全国市議会議長会研究フォーラムin長野」に出席しました

毎年開催されている全国市議会議長会が主催する研究フォーラムに出席してきました。今年は、新型コロナウイルスウイルス感染症のため三年振りの開催となりました。今回のテーマは「デジタル化が開く地方議会の未来」です。電子政府、電子自治体という大きな流れの中、地方議会のデジタル化は避けては通れない課題です。ただ、デジタル化はあくまでも手段。目的ではありません。デジタル化は、システムの構築、維持、定期的な機材の更新など「お金」がかかりますから、費用対効果が重要ですし、議会がデジタル化することの「利益」が市民に還元されなければ意味はありません。現在大和市議会は、会議のために膨大な「紙」の資料を使っており、それを準備する職員の手間もかかります。単純に、デジタル化してペーパーレスが進んでいる自治体では、紙代などが大幅に削減されており、人件費も削減されているということです。加えて、新型コロナウイルス感染症の蔓延が、議会のデジタル化を推進しました。コロナに感染したり濃厚接触者になったりして会議に出席できない場合でも、リモート会議ができる環境が整っていれば、自宅から会議に出席し、審議に参加することができます。すでにそのようにしてコロナ禍でも活発に会議を行った地方機会もあります。残念ながら、大和市議会のデジタル化は遅れています。コロナはいずれ収束するでしょうが、新たな感染症や自然災害のために議会が開けないということも発生するかもしれません。大和市議会もコロナ禍での教訓をふまえて、早急に議会のデジタル化を検討する必要があると痛感しました。まずは、できるところから始める。これが議会をデジタル化していく上でカギとなるようです。

〇乳幼児に対するワクチン接種について

10月5日に6ヶ月から4歳の乳幼児に対する新型コロナワクチン接種が薬事承認され、10月13日に関係省令等が改正され(施行は10月24日)、予防接種法の特例臨時接種と位置づけられました。これを受けて、大和市でも乳幼児接種が始まります。必要な予算は、改めて補正予算を組まずに、現行予算の執行残から実施する旨の説明が市側(行政)よりありました。なお、接種は「努力義務」となってはいますが、強制ではなく、保護者の判断により受けていただくことになります。

〇甲州市市制施行17周年記念式典に出席しました

11月1日に大和市が国内で唯一友好都市提携をしている山梨県甲州市の市制施行17周年記念式典に出席してきました。甲州市は、旧大和村を市域に含んでおり、大和市とは、大和村時代からのおつきあいです。甲州市は、「甲州ワイン」をブランド化していて、さまざまな形で大和市の地域経済活性化にもつなげていけると考えています。以前、一般質問でも取り上げましたが、なかなか進んでいないのが現状です。周年行事にも毎年ご招待いただいているようなのですが、行っていないようなので、今年はお招きに応じて記念式典に出席させていただきました。これを機に、「名前だけ」ではない友好関係につなげていければと考えています。

〇第2回臨時会が開催されました

11月2日、今年2回目の臨時会が開催されました。今回の議題は、補正予算の専決処分の承認と、追加の補正予算の承認です。
[1] まず、国の「物価・賃金・総合対策本部」において電力、ガス、食料品等の価格高騰に対す
る家計の負担増をふまえて決定された、「住民税非課税世帯に対する給付金」を支給するため、予算を早急に補正する必要が生じたためとして、市長が10月7日に行った補正予算の専決処分を承認しました。内容としては、歳入歳出にそれぞれ1,588,881千円を追加し、歳入歳出の総額をそれぞれ89,624,062千円とするものです。財源は全額国庫補助金(電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金事業補助金)です。具体的には、(1)住民税非課税世帯、(2)家計急変世帯に、1世帯あたり5万円を支給するものです。
[2]次に追加の補正予算が提案されました。内容としては、電力、ガス、食料品等の高騰をふまえて、「子育て世帯」に対して給付金を支給するため、歳入歳出それぞれに649,602千円を追加して、歳入歳出総額をそれぞれ90273,664千円とするものです。財源としては、国庫支出金(新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金)と市の一般財源です。具体的には、児童一人当たり2万円を支出するものです。この内容で11月2日の本会議において承認しました。なお、この給付事業には「所得制限」はありません。
[1]と[2]の給付金支給事業は大変似ていますが、[1]は国の政策で「住民税非課税世帯等」に対する経済支援であるのに対して、[2]は大和市独自の施策で、「子育て支援」を目的としています。
※詳細は、大和市のホームページ等をご参照下さい。

No.263 行政視察が再開しました

新型コロナウイルスウイルス感染症の拡大防止のため中止としていた行政視察を今年度から再開しました。同時に、他市からの行政視察の受入れも今年度から再開しています。行政視察は、先進地の施策を調査し、行政に提案していくもので、議員活動として大変重要な意味を持っています。私が所属している厚生常任委員会は、高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉、子育て施策等を所管する委員会で、本年、10月12日から14日まで、三日間の日程で3市の施策を調査してまいりました。以下に報告いたします。

1.山形県東根市 「子育て支援施策」について

東根市では、総合保健福祉施設「さくらんぼタントクルセンター」と子どもの遊び場「ひがしねあそびあランド」を視察しました。「さくらんぼタントクルセンター」の代表的な施設である「けやきホール」は、東根市のシンボルである「大けやき」をイメージした屋内複合遊具で、大きな滑り台を始め、子どもたちの冒険心を刺激する大変魅力的な施設です。近くにある屋外の遊び場「あそびあランド」の遊具もそうですが、多くの子どもたちで賑わっています。両施設とも無料で、市外の人も利用できます。大和市にも子どもたちに人気の大きな遊具を備えた施設はありますが、大和市の施設との大きな違いの一つは、子どもたちの遊びに「禁止」を設けていないということでした。子どもたちの遊びには多少「危険」なこともあります。いわゆる「冒険」的な要素を伴う「遊び」になれば、とかくそういった傾向があります。大和市は、「安全」のためにと「冒険的」な要素を極力取り除くようにしています。東根市は「ごみと多少のけがはお持ち帰り下さい」というコンセプトで臨んでいるということでした。どっちらが正しいということではないと思いますが、「子どもの遊び場」を整備するに際しての行政の「考え方」を再考させられる内容でした。また、大和市は遊具の「対象年齢」にも厳しいですが、子どもの成長には個人差がありますから、画一的に「年齢」で利用の有無を判断して良いかどうかも疑問です。基本的には、親(保護者)が正しく判断して子どもを安全に遊ばせる、そのサポートをするのが行政の役割であると思います。私にも三歳の幼児がいるので、自分の子どもを遊ばせているときのことを想像しながら、東根市の事業を見せていただきました。行政が行うのはあくまでも「子育て支援」であり、「子育て」の責任は主に親にある。行政は支援はできても責任を負うことはできない。これが「子育て支援事業」の原則であり、これを逸脱してはいけないということだと思います。

2.山形県上山市 「ICTを活用した健康ポイン事業」について

大和市も「健康ポイント事業」を行っています。大和市の「健康ポイント事業」は、ポイントカードにスタンプを集めて、応募して抽選で景品が当るといった事業ですが、上山市の「健康ポイント事業」は似て非なる事業です。「健康ポイント事業」参加者に「活動量計」を貸与して、参加者は「活動量計」を携帯して、日々の活動を行います。市内各所に設置してある「読み取り専用端末」に自身の「活動量計」をかざすとデーターが行政と共有されます。データーは民間事業者で分析され、健康づくりのアドバイスがなされます。貯まったポイントは地域で使える商品券と交換できます。商品券は、地域で使えるものなので、地域経済の活性化にもつながります。このように、上山市の「健康ポイント事業」は、単にポイントを集める事業ではなく、「健康づくり」をサポートする事業です。また、大和市のように当る人と当らない人もでない、皆が貯まったポイントを利用できるという点でも優れていると思いました。ただ、ICTを活用する事業のため、導入時の初期費用がかかることと、情報を分析したりするための委託費用もかかります。それでも、事業の目的が健康な人を増やして、医療費を削減しようということですから、費用がかかったとしても意味のある事業であると思いました。少なくとも、大和市の「健康ポイント事業」よりはかなり進んだ事業であり参考になりました。

3.栃木県宇都宮市「産後うつ検査・産後ケア・産後サポート事業」について

少子化とその対策が叫ばれる中、多くの自治体が妊産婦に対するする施策を実施しています。大和市も産後ケアとして、訪問型のサービスを始めますが、宇都宮市は、訪問型のほかに通所型、宿泊型の産後ケア事業を実施しています。特に宿泊型は人気が高く、多くの方に利用されているということです。宿泊型は(市が助成しているとはいうものの)、費用もかかり、病院の協力も必要なことから、すぐに大和市で実施することは難しいかもしれませんが、さまざまな可能性を考えてみることができると思いました。また、「産後うつ」検査は、早期に対策が必要な方に必要なケアを行えるといったメリットがあります。大和市は、この分野でまだまだ遅れていると思いました。必要な施策の実施を行政に求めていきます。

〇行政視察から政策実現へ

これまでも行政視察をふまえて、政策提案や具体的な条例の制定につなげてきました。たとえば、平成24年に、私が大和で初めての「議員提出議案」の経済政策条例「大和市商業振興条例」を作ったときも、藤沢市、静岡市等を視察して、両市の類似の条例を参考にさせていただきました。また、大和市では議員提出の政策条例を作った事例がなかったため、その手法を鎌倉市、大津市などから学ばせていただきました。大和市が「議会基本条例」を制定した際も、最初に議会基本条例を作った北海道栗山町を視察して参考にしました。条例以外にも、シリウス図書館に関して、佐賀県武雄市図書館、長野県塩尻市図書館を視察して、図書館を中心とした「まちづくり」や、従来の「図書館」の規定概念を超えた新しい時代の「図書館」の在り方を提案しました。シリウスの芸術文化ホールも、当初は旧中央文化会館ホールの600名規模を行政は計画していましたが、市民の要望を受け、座席数を増やすことを検討していました。新潟県柏崎市のホールを視察し、二階席を作ることを提案し、結果として現在の1,000席を確保するホールとすることができました。このように行政視察は、さまざまな議員提案を通して政策に反映されています。もちろん、提案したすべてが即政策に反映されるとは限りませんが、引き続き根気強く取り組んでまいります。

No.262 やるべきことを着実に

一.道路について

市民からのご相談(苦情)として多いのが道路に関する問題です。道路はだれでも使うものです。だからこそ、子どもにも高齢者にも障害のある方にも安全に利用できるものでなければなりません。しかし、残念ながら大和市の道路は必ずしもそうなっていないというのが現状です。市民からのご要望として多いのが、道路の凸凹や破損、カーブミラーや信号機の設置、通学路の安全対策、歩道の安全確保、横断歩道などの路面表示が見えにくくなっていることなどです。中には県や国の事業となるものもありますが、道路の補修などの多くは市が実施できるものです。道路整備を実施する上で大きな問題となっているのが、「お金」つまり市の予算です。議会からも再三要望して改善されてきてはいますが、まだまだ十分とはいえません。立派な公園を整備するのも結構ですが、まずは「やるべきことを着実」に実施するために予算措置して欲しいというのが私の強い要望です。道路整備は「やるべきこと」のかなり上位に位置していると考えています。以前、視覚障害の方のために設置されている点字ブロックの補修に関しても一般質問で取り上げました。これからも、すべての方が安心して利用できる安心・安全な道路整備を求めていきます。本市では、自転車通行帯や通学路に青や緑の舗装をしていますが、雨天の時など滑りやすくて危ないという「声」をお聞きします。本来、安全のために実施しているカラー塗装が、かえって危険であるとすれば本末転倒です。早速、担当課に申し入れ、調査と対策をお願いしたところです。

二.公園について

道路に次いで市民相談が多いのは、「公園」に関するものです。大和市には「ゆとりの森」や「やまと公園」「泉の森」といった大規模な公園があります。狭い市域にさまざまなタイプの公園が点在していて、それぞれ多くの方々で賑わっています。しかし、市民の多くが日常的に利用しているのは、このような大規模な公園ではなく「街区公園」とよばれる「近所の」「小さい公園」です。こういった公園の管理・整備はしっかり行えているのでしょうか?毎年のように決まって言われるのが、草刈りや樹木の伐採に関することです。市民からの苦情が来てから草刈りをしてもらう。毎年こういった状況が続いています。行政に聞くと、「計画的にやっている」といいますが、毎年決まって苦情が来るようでは「計画的にやっている」とはいえないと思います。以前、東京の大田区の公園を視察しましたが、大田区では業者に委託して、事業者は定期的に公園を巡回して管理していました。また大田区では、ほとんどすべての公園にトイレがあり、委託された事業者が定期的に巡回し清掃しているので、大変きれいに管理されていました。市民の身近な居場所である「公園」をきれいに管理していくということは、行政が「やるべきこと」です。いくつかの大きな公園だけでなく、身近な小さな公園もしっかり管理されるよう「やるべきことを着実に」行うように引き続き行政に促していきます。

三.病児保育について

病児保育については、「大和主義!!」でも何度か書きました。共働きやひとり親家庭で、「子どもが急に体調を崩した、でも仕事はどうしても休めない」といったとき、「頼みの綱」となっているのが、「病児保育」です。大和市には3つの病児保育室がありますが、市が委託事業としているのは、市立病院の敷地内にある「ぽかぽか」だけです。定員は4名で、基本市内在住の方が利用できます(例外あり)。大和市には約24 万人の方々が暮らしています。たった4名の定員では到底需要を賄うことはできません。大和市の病児保育が市民のニーズになんとか対応出来ているのは、他の二つの民間の施設があるからです。市はこれらの二つの施設も含めて「市内3箇所」の病児保育室と言っています。市はこれら二つの民間施設を「補助事業」として位置づけ、補助金を交付していますが、各施設は毎年多額数の「赤字」を抱えながら施設を運営しているといいます。「病児保育」はそもそも「儲からない」事業です。「儲からない」事業でも「公共性」が高い事業だから、国は市町村といった基礎自治体がこの事業を行うことを定めています。市は「補助事業」として国の要綱に従って補助しているとくり返しますが、「子育て王国」を標榜するのであれば、民間に赤字経営を強いるのではなく、行政が責任を持って実施するべきだと思います。病児保育は、子どもたちのため、働くお父さん・お母さんのために行政が「やらなければならないこと」です。

〇災害に備える

毎年この季節には台風など風水害が起こっています。今年9月1日に発行された「大和市の災害史」
は大変貴重な資料です。纏めていただいた大和市文化スボーツ部文化振興課の皆様には、この場をお借りして感謝申し上げます。有史以前の噴火災害から、地震、風水害、新型コロナウイルス感染症までの自然災害と感染症の歴史を網羅しています。価格は2,700円(税込み)と結構いいお値段ですが、図書館にも置かれると思いますので、是非ご覧下さい。何時来るか知れない「災害」に日頃から備えておくことは大切です。私も10月15日(土)13時からイコーザ305号室において「感染症と自然災害に強い社会を作ろう!!」と題して勉強会を開催します。非常事態と憲法の問題にも踏み込みます。拓殖大学特任教授濱口和久先生による基調講演と、第二部では「緊急事態と日本国憲法」と題して、濱口先生と私の対談を行います。お誘いあわせの上、是非お越し下さい。