カテゴリー別アーカイブ: 大和主義!!リポート

No.262 やるべきことを着実に

一.道路について

市民からのご相談(苦情)として多いのが道路に関する問題です。道路はだれでも使うものです。だからこそ、子どもにも高齢者にも障害のある方にも安全に利用できるものでなければなりません。しかし、残念ながら大和市の道路は必ずしもそうなっていないというのが現状です。市民からのご要望として多いのが、道路の凸凹や破損、カーブミラーや信号機の設置、通学路の安全対策、歩道の安全確保、横断歩道などの路面表示が見えにくくなっていることなどです。中には県や国の事業となるものもありますが、道路の補修などの多くは市が実施できるものです。道路整備を実施する上で大きな問題となっているのが、「お金」つまり市の予算です。議会からも再三要望して改善されてきてはいますが、まだまだ十分とはいえません。立派な公園を整備するのも結構ですが、まずは「やるべきことを着実」に実施するために予算措置して欲しいというのが私の強い要望です。道路整備は「やるべきこと」のかなり上位に位置していると考えています。以前、視覚障害の方のために設置されている点字ブロックの補修に関しても一般質問で取り上げました。これからも、すべての方が安心して利用できる安心・安全な道路整備を求めていきます。本市では、自転車通行帯や通学路に青や緑の舗装をしていますが、雨天の時など滑りやすくて危ないという「声」をお聞きします。本来、安全のために実施しているカラー塗装が、かえって危険であるとすれば本末転倒です。早速、担当課に申し入れ、調査と対策をお願いしたところです。

二.公園について

道路に次いで市民相談が多いのは、「公園」に関するものです。大和市には「ゆとりの森」や「やまと公園」「泉の森」といった大規模な公園があります。狭い市域にさまざまなタイプの公園が点在していて、それぞれ多くの方々で賑わっています。しかし、市民の多くが日常的に利用しているのは、このような大規模な公園ではなく「街区公園」とよばれる「近所の」「小さい公園」です。こういった公園の管理・整備はしっかり行えているのでしょうか?毎年のように決まって言われるのが、草刈りや樹木の伐採に関することです。市民からの苦情が来てから草刈りをしてもらう。毎年こういった状況が続いています。行政に聞くと、「計画的にやっている」といいますが、毎年決まって苦情が来るようでは「計画的にやっている」とはいえないと思います。以前、東京の大田区の公園を視察しましたが、大田区では業者に委託して、事業者は定期的に公園を巡回して管理していました。また大田区では、ほとんどすべての公園にトイレがあり、委託された事業者が定期的に巡回し清掃しているので、大変きれいに管理されていました。市民の身近な居場所である「公園」をきれいに管理していくということは、行政が「やるべきこと」です。いくつかの大きな公園だけでなく、身近な小さな公園もしっかり管理されるよう「やるべきことを着実に」行うように引き続き行政に促していきます。

三.病児保育について

病児保育については、「大和主義!!」でも何度か書きました。共働きやひとり親家庭で、「子どもが急に体調を崩した、でも仕事はどうしても休めない」といったとき、「頼みの綱」となっているのが、「病児保育」です。大和市には3つの病児保育室がありますが、市が委託事業としているのは、市立病院の敷地内にある「ぽかぽか」だけです。定員は4名で、基本市内在住の方が利用できます(例外あり)。大和市には約24 万人の方々が暮らしています。たった4名の定員では到底需要を賄うことはできません。大和市の病児保育が市民のニーズになんとか対応出来ているのは、他の二つの民間の施設があるからです。市はこれらの二つの施設も含めて「市内3箇所」の病児保育室と言っています。市はこれら二つの民間施設を「補助事業」として位置づけ、補助金を交付していますが、各施設は毎年多額数の「赤字」を抱えながら施設を運営しているといいます。「病児保育」はそもそも「儲からない」事業です。「儲からない」事業でも「公共性」が高い事業だから、国は市町村といった基礎自治体がこの事業を行うことを定めています。市は「補助事業」として国の要綱に従って補助しているとくり返しますが、「子育て王国」を標榜するのであれば、民間に赤字経営を強いるのではなく、行政が責任を持って実施するべきだと思います。病児保育は、子どもたちのため、働くお父さん・お母さんのために行政が「やらなければならないこと」です。

〇災害に備える

毎年この季節には台風など風水害が起こっています。今年9月1日に発行された「大和市の災害史」
は大変貴重な資料です。纏めていただいた大和市文化スボーツ部文化振興課の皆様には、この場をお借りして感謝申し上げます。有史以前の噴火災害から、地震、風水害、新型コロナウイルス感染症までの自然災害と感染症の歴史を網羅しています。価格は2,700円(税込み)と結構いいお値段ですが、図書館にも置かれると思いますので、是非ご覧下さい。何時来るか知れない「災害」に日頃から備えておくことは大切です。私も10月15日(土)13時からイコーザ305号室において「感染症と自然災害に強い社会を作ろう!!」と題して勉強会を開催します。非常事態と憲法の問題にも踏み込みます。拓殖大学特任教授濱口和久先生による基調講演と、第二部では「緊急事態と日本国憲法」と題して、濱口先生と私の対談を行います。お誘いあわせの上、是非お越し下さい。

No.261 市議会議長就任4ヶ月で取り組んできたこと

 令和4年5月9日に第62代大和市議会議長に選任いただき、早いもので4ヶ月がたちました。議長就任後、これまでに取り組んできたいくつかのことをご報告します。

・市議会本会議の議員出席者をコロナ前に戻しました

新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中、令和2年3月定例会より実施してきた本会議への議員の出席を半数に制限するという取組みを、令和4年6月定例会から元に戻し、全議員が出席することとしました。引き続き、検温、手指消毒、マスクの着用、演壇等の消毒、ドアの開放などの感染対策は実施しています。

・行政視察の再開

本市議会議員の他市への行政視察を再開し、他市からの行政視察も受け入れています。

・議長出席会議の情報を共有

議長は全国市議会議長会の会議などに出席していますが、議長が出席した会議の資料や議決された国への要望書などを議会図書室に配架し、希望する議員が閲覧できるようにしました。

・議員(議会)提案の条例策定を進めています

前副市長辞職等に関する調査特別委員会に対して、「(仮)大和市ハラスメント防止条例(案)」の策定をお願いし、現在12月定例会での成立を目指して策定作業を進めていただいています。
また、法律の改正に伴い、「大和市議会の個人情報の保護に関する条例」を同じく12月定例会での成立に向けて策定作業を進めています。これらの条例案については、現在「パブリックコメント」を実施しています。

・議会基本条例の検証を進めています

議会基本条例は、4年の議員任期中必ず検証することが条例で定められています。今年度、議会運営委員会で議会基本条例の検証を行っています。

・通年議会の実現を目指しています

現在、大和市議会は年4回の定例会を開催しています(3月、6月、9月、12月)。それぞれの定例会は、地方自治法の規定に基づき市長が招集します。つまり、市長の招集がなければ議会を開催することはできないのです。法律の改正により、議会は一年を通じて議会を開催することができるようになっています(通年議会)。これまで、大和市議会は「通年議会」について検討してきましたが、未だ結論が出ていません。私の議長任期中に、なんとか「通年議会」を実現化できるように頑張っています。

〇通年議会について

 大和市議会は、現在条例で4回定例会を開催することになっています。各定例会は、毎回市長
が招集し、30日程度の会期を定めて開催しています。数年前に法律が改正され、1年を一つの会期として議会を開催できる「通年議会」とすることができるようになりました。前述したように、大和市議会でも「通年議会」については議論されてきましたが、未だ結論が出ていません。もとより、議論を尽していくことは民主主義の「基本」であり、大切なことですが、スピード感をもって議論を尽していくことが大切です。私は、なかとか私の議長任期中に「通年議会」を実現したいと思い頑張っています。「通年議会」にすることのメリットとしては以下のようなものがあります。

1. 市長の「先決処分」を減らせる

市長は、本来は議会の議決が必要なものであっても、緊急性があり、議会を開催する時間的余裕の無い場合は、議会の議決を経ることなく条例を制定(改正)したり、予算を決めたりできることになっています。これは本来緊急的なもので、例外的なものであるはずであり、「先決処分」が多用されてしまうと、議会制民主主義が形骸化してしまいます。ちなみに、「先決処分」は次の議会で議会の承認を求めることになっていますが、仮に議会が承認しなかったとしても「先決処分」の効力は失われません。「通年議会」になるとどうなるかというと、一年を通じて議会を開いているわけですから、議会を開催する時間的余裕がないということはありえません。また、議会は「閉会」されていませんから、必要応じ、市長ではなく議長が会議を「再開」すれば良いだけです。市長の「先決処分」を減らし、議会が本来の役割を果たせるようにすることが「通年議会」最大の利点だと思います。

2.非常事態に議会が対応できる

コロナのような感染症や自然災害が発生した場合などで、議員が緊急に協議する必要が生じたとき、市長による議会の招集を要せず、議長が会議を再開することができます。これによって、より民意を汲み取った民主的な政策を実施することができます。

3.改選前の今だからこそ

来年は統一地方選挙が行われます。選挙前に「通年議会」が決まっていれば、来年の選挙に立候補する人は、「通年議会」を前提に立候補してくることになりますから、選挙後最初から「通年議会」として活動することができます。

 以上、「通年議会」のメリットとして主な3 点を挙げてきました。デメリットはというと、いくつかあるにはありますが、それらは主に議員サイド、行政サイドのもので、市民からすれば「通年議会」のデメリットはほとんど無いと思っています。今後、議会運営委員会の中で実現に向けての議論が進むことを期待しています。

No.260 9月定例会が始まりました(令和4年第3回定例会)

令和4年8月30日。令和4年第3回定例会が招集されました。今定例会に提案されている議案のいくつかを紹介します。議案はまず所管の常任委員会で審査され、定例会最終日に本会議で採決されます。

☆ 令和3年度一般会計決算について

歳入の総額は、対前年度129.3億円減の932億円、歳出の総額は、対前年度141.7億円減の882億円となりました。歳入歳出等ともに大幅に減少していますが、これは主に特別定額給付金給付事業など、国庫支出金を財源とする事業の減少によるものです。実質収支は、コロナ禍の市税への影響が想定よりも小さかったことなどから、前年度14.1億円増の48,8億円となりました。
歳入では、市税が前年度に比べて微増に留まり、また、地方消費税交付金、地方交付税等が増加したものの、前述のとおり国庫支出金が減少したため、総額は前年度を下回りました。
歳出については、12回にわたって補正予算を措置し、新型コロナウイルス感染症への対応として、子育て世帯への臨時特別給付事業、住民税非課税世帯に対する臨時特別給付事業、新型コロナワクチン接種事業など、様々な取組みを行ってきました。
また、県内公立学校では初となる不登校特例分教室の開設、7年連続の待機児童ゼロの達成、令和3年の市内での交通事故死者数ゼロの実現、大和市企業活動推進条例に基づく企業の新規立地や事業拡大、設備投資に対して奨励金を交付するなど、地域経済の発展に努めてきました。
引き続き、事業の選択と集中により、限りある財源を効率的に活用することはもちろん、健全性に配慮しつつ対応してまいります。とのことです。
令和3年度決算については、所管の常任委員会に付託されましたので、各委員会で審査してまいります。委員会の予定は9月1日(環境建設常任委員会)、9月2日(文教市民経済常任委員会)、9月5日(厚生常任委員会)、9月6日(総務常任委員会)です。

☆ 補正予算

・ 新型コロナウイルスワクチン接種事業(厚生常任委員会 9/5)
オミクロン株対応ワクチン接種に必要な経費の増額
補正額 630,024千円 (財源 新型コロナウイルスワクチン接種事業負担金)
(財源 新型コロナウイルスワクチン接種事業補助金)

・ 公衆衛生支援事業(厚生常任委員会 9/5)
一般公衆浴場の事業者に対して、燃料費及び電気代の高騰分を助成
補正額 4,392千円(財源 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金)

・ 農業近代化等支援事業(環境建設常任委員会 9/1)
市内農家に対して、農業生産資材(燃油、肥料、飼料)の高騰分を助成
補正額 6,383千円(財源 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金)

・ 地域公共交通施策事業(環境建設常任委員会 9/1)
燃料価格の高騰の影響を受ける市内バス、タクシー事業者に対して、支援金を支給する
補正額  5,242千円(財源 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金)

・ 原油価格・物価高騰対策中小企業支援事業(文教市民経済常任委員会 9/2)
補正額  360,500千円(財源 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金)

・ 学校給食管理運営事業(文教市民経済常任委員会 9/2)
市立小中学校における学校給食について、食材材料費の高騰分を助成
補正額  89,692千円(財源 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金)

☆ 新・条例

・ 大和市こもりびと支援条例(厚生常任委員会 9/5)
こもりびと(「様々な要因の結果として社会参加を回避し、市内においておおむね6ヶ月以上にわたり家庭等にとどまりつづけているもの」と定義)と家族等が、望まない孤立を伴うことなく安心して生活し、希望する時に必要な支援につながることのできる地域社会の実現に寄与するため、こもりびとの支援に関する施策の総合的な推進をはかるための条例。全9条。

〇意見公募(パブリックコメント)について

 大和市議会は、議員提案での条例制定を目指して「意見公募」を行っています。意見公募を行っている条例案は、(1)「大和市ハラスメント防止条例」と(2)「大和市議会の個人情報の保護に関する条例」です。「意見公募」の期間は、9月1日(木)から9月30日(金)までです。詳細については、大和市議会のホームページをご覧下さい。多くの市民の皆様からのご意見をお待ちしています。