議会基本条例は、議会運営の基本的原則を定めた条例として、平成18年5月18日に北海道栗山町で最初に施行されました。以来、「議会改革」の流れの中で全国各地の自治体で制定されてきています。
大和市議会でも、平成24年に「議会基本条例検討協議会」が立ち上がりました。協議会には各会派(8会派)から委員を出し、平成24年2月8日に第一回の会議を開きました。私も新政クラブを代表して委員として参加し、副会長として協議会を進めてまいりました。
約1年半にわたり29回の会議を重ねてまいりましたが、この度ようやく「条例案」がまとまりました。パブリックコメントを行い、10月5日には「市民説明会」を開催し、市民の皆様のご意見をいただきながら、より良い条例を目指して協議を重ねております。現在の予定では、今年12月の定例会への上程を目指して努力しているところです。
議会基本条例検討協議会は、「条例案」制定にあたり、多数決ではなく「全会一致」を原則としました。そのため、内容的には「折衷的」になった部分があることは確かです。ただ、「全会一致」ですので、今後の「運用」は比較的スムーズにいくのではないかと思っています。
もとより、法律でも条例でも「必要」があって制定されるものであるべきです。ですから、制定されても「使われなければ」意味がありません。私たち議員には、本条例が制定されたら、条例を積極的に活用していく努めがあります。以下に「大和市議会基本条例案」のいくつかのポイントをあげてみます。
大和市議会基本条例案のポイント。
1.「議会は、市長とともに二元代表制の一翼を担っており…」(条例案前文)
地方自治体は、いわゆる「二元代表制」を採用しているといわれています。ただ、「二元代表制」という言葉が憲法や自治法に直接出てくるわけではありません。本条例案はこの点を明記しました。市長(執行機関)と議会が、それぞれ「二元代表制」の一翼であることは自治体の運営の大原則です。
2.「議会は、…議決により、市の意思決定を行う」(条例案2条1号)
議会が市長とともに「二元代表制」の一翼を担っているとはいえ、各々が同じ権限を持っているわけではありません。市長は「執行権」を持っているのに対して、議会は市の「意思決定」を行います。つまり、決めるのは「議会」、実行するのは「市長」です。議会は「意思決定」を「議決」で行います。
3.「議会は、請願者や陳情者に委員会において委員長の許可の下に意見陳述等を行う機会を設けることができる」(条例案7条3項)
市民参加の重要な手段の一つとして、議会への請願書・陳情書の提出があります。毎回の定例会に提出された請願書・陳情書は、原則としてまず付託された委員会で審査されます。現在は、請願者・陳情者が希望する場合、委員長は「暫時休憩」とし、「休憩中」に請願者・陳情者に「意見」を述べていただいています。
ただ、この方法ですと、請願者・陳情者の「意見」は「議事録」に残りません。条例案の規定によれば、「会議中」に「意見」を述べることができ、その場合「意見」は「議事録」に記録されます。
4.「議会は、政策立案や調査研究に資するための組織を作ることができる」(条例案4条1項)
昨年私は、「大和市商業振興条例」を議員提案で作りました。これは、私が個人として作り、新政クラブの同意を得て、新政クラブ議員全員の名前で提出したものです。本条例案には、議会内に「政策立案」の組織を作ることができる旨が規定され、今後は政策条例を作りたい場合、議会内に「組織」を立ち上げ、そこで検討できるようになります。これは、議会が自治体の「立法機関」としての役割を果たす上で重要な意味を持つことになると思います。