毎年恒例の国と県への次年度予算要望が7月29日に自由民主党神奈川県支部連合会政務調査会に対して行われました。私も基本的に毎年市側職員に同行し、自民党市議会議員として市の立場から党に対して要望をしています。今年は「密」を避けるということで、市議会議員の同行は自粛を求められましたが、本市選出の我が党県議会議員を通じて、本市からの要望はしっかりと伝えていただいています。近隣市では、市長自ら赴いて市の要望を伝えているところもありますが、本市はいつも副市長と担当部長のみの参加です。私は、政党への「予算要望」という極めて政治的意味が強い場面では「政治家」としての市長自らの、より積極的な行動が必要だと感じています。今年も残念ながら市長の出席はなかったと聞いています。来年度の予算要望は、県に対して15件、国に対して12 件です。以下に幾つかご紹介します。
★県に対して
1. 大規模感染症への対応について。住民の生命や健康に重大な被害を及ぼす感染症が大規模かつ広範囲に発生した場合、各自治体の大きな課題となる事項の一つとして、マスクや消毒薬、感染防護服等の不足があげられます。特に住民の生命や健康を守る医療機関における物資の不足は、感染症対策に重大な影響を与えます。大規模感染症が発生した際の医療体制の構築は、県内の発生状況や各医療圏における医療資源の状況等により、県が感染者の受入れ等の対応方針を定めるものと考えられるため、広域的な感染症対策に必要となる物資については県で備蓄を行うなど、医療機関ごとに適切な配分を行うことを要望します。
2. 感染症対策における中小企業・小規模事業者への経済支援の充実について。新型コロナウィルス感染拡大の影響により、商工業の活動の縮小が著しく、現在の状況からすると影響は長期にわたることも考えられます。大きく業績が悪化した中小企業や小規模事業者の倒産を防ぐとともに、再建や経営継続を促し、V字回復を目指すためにも、現在国が実施している資金繰り支援制度を継続するとともに内容の充実を図ることや、消費喚起につながる需要刺激施策等、中小企業・小規模事業者に対する継続的な経済支援について、国に働きかけるとともに、県においても、資金繰り支援制度の継続や充実のほか、新たな消費喚起策等を講じていくことを要望します。
3. 河川の整備について。平成26年6月に市内を流域とする引地川、境川が特定都市河川に指定されたことにより、市民や事業者、流域自治体に対し、新たな雨水の流出対策などの負担が求められている状況です。治水対策の根幹をなす河川改修について、両河川の未整備区間において、着実に進めるよう要望すると共に、整備が完了するまでの間においても、安全対策に万全を期すよう要望いたします。
4. 歩道を有する交差点における歩行者の保護等について。交差点で信号を待つ歩行者が犠牲となる事故が相次ぐ昨今の交通事故の情勢等を踏まえ、歩道を有する国道・県道の交差点における横断歩道と歩道の接続部付近やその近傍で、歩行者の保護の必要性及び緊急性が高いと判断される箇所を対象に耐衝撃性を有する車止めを設置するとともに、不鮮明になった横断歩道等の路面規制表示の補修について、迅速に対応していただくよう要望します。
☆国に対して
5. 基地周辺住民及び自治体への支援について。人口密集地である本市に厚木基地が所在することに起因する、航空機騒音や事件・事故に対する不安、街づくりへの支障など、基地周辺住民の負担の解消に向けた取り組みをより一層進めることを要望します。また、様々な被害や負担を被っている基地周辺住民や本市への支援、補助および周辺対策等を一層強化し、実情に見合ったものにするよう要望します。
6. 感染症の流行時における公立病院への財政支援について。新型コロナウィルス感染症対策のため、公立病院は通常の診療や手術等を制限することを余儀なくされており、事業収入は減少し、経営に多大な影響を及ぼしています。少子高齢化の進展などにより、病院運営を支える自治体の財政も大変厳しい状況にある中で、万が一、自治体が病院運営を断念するようなことが生じれば、地域医療の崩壊を招くことにもなりかねません。国においては、国民の生命と健康を守るため、コロナ対策に注力する公立病院の経営を財政的に支援するよう要望します。
7. 感染症対策における必要経費の担保について。国内で大規模な感染症が発生した際には、医療機関での患者の診察や地域の医師会による検査等が円滑に実施できる枠組みが必要です。特に、PCR検査等を地域の医師会が実施する際に診療報酬の中で必要な経費を賄うスキームとする場合は、実際にかかる様々な経費も含めて賄えるような制度設計が必要です。国においては、各自治体や地域の医師会等による感染症対策が安定的に実施できるよう、適切な診療報酬単価の設定や、経費に不足が生じた際の財源措置等を講じられることを要望します。
8. 小児医療費に係る全国一律の助成制度の創設について。小児医療費助成は、有効な子育て支援策であるものの、各自治体によって対象や助成の範囲が異なるなど、地域間で格差が生じています。次代の社会を担う子どもの健全な成長を支援するという側面から、小児医療費助成については、将来にわたり全国一律の制度として実施することを要望します。また、現在、小児医療助成等を行っている場合、国民健康保険に係る国庫負担金の減額措置を講じられていますが、子育て支援策の推進にも影響を与えることなどから、あわせて改善を要望します。