1.通年議会について
大和市議会は、3月、6月、9月、12月の年4回の定例会制をとっています。一回の定例会の会期は30日程度です。議会は地方自治法の規定により首長(市長)が招集することになっていますから、市長の招集がなければ議会を開くことすらできないのです。しかし、法律が改正され、一年を通して議会の会期とする「通年議会」とすることが可能となりました。法改正を受けて「通年議会」を採用する議会が増えてきています。通年議会になったからといって、毎日会議を開催するわけではありません。通年議会を採用した多くの議会も、実際には従来どおり「定例会」のような形で運用しています。では、「通年議会」にすると何が良いのでしょうか?まず、市長の「先決処分」を無くすことができます。予算の議決や条例の制定・改正・廃止には議会の議決を要しますが、時間的に議会の招集を待てない「緊急」な場合は、議会の議決を経ることなく市長が議会の議決に代わって意思決定することが認められています。これが「先決処分」です。市長が「緊急」と判断して先決処分を行うことが多用されてしまうと議会は形骸化してしまいます。結果として、市長の「独裁体制」を許してしまうことになり、民意は反映されなくなってしまいます。「通年議会」とすれば、議会は一年を通じて開いているわけですから、直ちに会議を再開し必要な審議を行い議決をすることができます。「通年議会」の場合、一度市長が招集した議会が年間を通じて閉会しませんから(会議を行っていないときは、単に議長が休会としているだけ)、いつでも議長が再開を宣言することで会議を始められます。これは事実上議長が議会の招集権を持つようなものです。議会の役割は自治体の意思を「決める」こと、そして、行政を「チェック」することです。議会が年間を通じて開いていること、そして、いつでも市長の意思に関わらず自らの意思で集まれるということは、行政に対するチェック機能を十分に行使する上でも極めて重要です。前市長の時代、議会が十分にチェック機能を発揮できなかったという反省があります。それは、これまでの「定例会」といった議会の在り方にも問題があったと思います。私が議長のとき、なんとか「通年議会」を採用したいと思いと提案しましたが、残念ながら多くの議員の賛成を得られずに「継続審議」となってしまいました。今期は議会改革に関する委員会も立ち上がる予定です。私は、最優先で「通年議会」を実現したいと思っています。実際、多くの議員の賛成を得るというハードルは高いのですが、「議会改革」を重要と考える議員と協力して、「通年議会」を実現させたいと思います。
2.予算・決算委員会
大和市議会は、3月定例会で当初予算を、9月定例会で昨年度決算を審査します。現在は、4つの常任委員会がそれぞれの所管分を審査する方法が採られていますが、予算は本来一体として審査されるべきものです。大和市議会のやり方は、予算一括審査の原則に抵触する可能性がありますし、事業によっては所管の委員会を跨がるため、十分な議論が行えないという問題もあります。私は、以前から予算・決算は、「予算・決算委員会」を作ってそこで一括して審査するべきだと主張してきました。これまた多くの議員の賛成が得られません。予算・決算の審査は議会の「最も重要な仕事」です。「議会改革」として「通年議会」とともに最優先で「改革」するべきと考えています。
3.一問一答の「一般質問」。反問権
大和市議会の「一般質問」をご覧になったことはおありでしょうか?ご覧になった方から良く指摘されるのが、「原稿を読み合っているだけで面白くない」「国会みたいに丁々発止でやって欲しい」というものです。多くの方が思い描いている議会での審議は、TVでやっている「予算委員会」のような形で、議員と執行部(行政)が文字通り「舌戦」を繰り広げている場面だと思います。実は国会も本会議場で行われている各党代表質問は大和市議会の「一般質問」と同じ「演説型」なのです。しかし、「一般質問」は市議会のもっとも注目される会議でありますし、もっと「生き生き」とした議論が行われた方が良いと私も思います。最近地方議会でも多く採用されているのが「一問一答」式の「一般質問」です。私は、大和市議会においてもこの方式を採用したいとずっと思っています。「一問一答」式の「一般質問」とセットになっているのが市側の「反問権」です。「一問一答」式の最大のメリットは、議論が「積み上げられていく」ということです。ですから、議員が市側の反問・反論を許さずに「吊るし上げて」いくような質問は良くありません。ですから、市側にも議員の主張に対して「反問・反論」する権利を認める必要があります。とはいえ、議員は市民の代わりに執行部を「問い質す」ことが役割ですから、市側も基本真摯に答えることが必要です。どこかの市長のように議員の質問に答えずに反論するでは「けんか」になってしまいます。議会は市民の税金で運営されていますから、「けんか」に税金を使うことはできません。しっかり議論が「積み上がって」市民のために良い結論が導きだされるようなものにするべきです。「一問一答」式にもいろいろ詰めていかなければならない問題もありますが、聞いている市民にとって分かりやすいということも大きなメリットです。市民にとって分かりやすい議会、建設的な議論が行われる議会となるためにも「一般質問」に「一問一答」式を採用することは意味があります。もちろん、従来の「演説型」にも良いところがあります。「一般質問」は市政に関して政治家としての議員の考えを表明して市民の理解を求めるという「政治的」な意味もあります。「演説」式の方がこの面では優れていると思います。それで、「一問一答」式を採用している議会でも議員が質問の仕方を選択できるようになっています。いずれにして、「いまのまま」で良いという考えが一番良くない。議会は社会の変化に対応しながら、絶えず「改革」を進めていかなければなりません。引き続き、市民のための「議会改革」の先頭に立ちます!!