No.303 ヤングケアラー支援について

「ヤングケアラー」とは、「家族等の介護や世話をする18歳未満の子どもたちのこと」です。2020年(令和4年)から、ヤングケアラーへの政府・自治体における支援が急速に広がってきています。18歳未満の「子ども」だけでなく、全世代を対象とした「ケアラー支援条例」が令和4年3月に埼玉県で制定されて以来、28自治体で同様の条例が制定されています(令和6年3月27日現在)。政府の中高生への実態調査でも、その裾野まで含めると「各クラスに一人」はいるのでは?という実態が見えてきました。主なケアの対象は、親、兄弟、祖父母といった近親者であり、内容は、介護、介助のみならず、食事の準備や洗濯等の家事、通訳、送迎、見守り、感情面のケア(愚痴を聞く、話し相手になる)といったことまで、多岐にわたっています。中には、かなり深刻なものもありますが、「他人には言いにくい家族の悩み」であることから、誰にも相談できずに「孤独」や「孤立」を感じていることが少なくありません。

ヤングケアラーの背景には、少子高齢化や核家族化、貧困等の問題があります。そして、子どもであっても介護力とみなされて福祉サービスの利用計画がされてしまうことも少なくないといった実態もあります。アンケート調査で「特に問題ない」と答えた子どもでも、実際には、一日に平均して「4時間以上」も家族の介護をしているということもあったので、決して、アンケートの回答のみを真に受けてしまってはならないということです。したがって、学校や地域、福祉、親族等の周囲の大人たちが問題に気づき、ヤングケアラーが支援につながれるようにサポートしていくことが大切なのです。決して、家族なのだから「当たり前」だとか、逆に「えらい子ども」ということで終わらせてしまってはならないのです。ヤングケアラー支援が法制化しているイギリスでは、ケアが必要な当事者には福祉支援を受ける権利があり、自分の家族に頼る必要はないことが明示されています。

ヤングケアラー支援の「一丁目一番地」は、「ヤングケアラー」という「ことば」の認知度を上げることです。最近、報道される機会が多くなったとはいえ、まだまだ「ヤングケアラー」という「ことば」自体を知らない方がたくさんいます。まずは、「ヤングケアラー」という概念や支援の存在を知ってもらうことが、SOSの発信と支援につながると考えています。

〇議員としてできること

ヤングケアラー支援に関して議員として何ができるか考えてみました。何といっても、まずはヤングケアラーの「声」を聴くということに始まると思います。ぜひ、「自分はもしかしたらヤングケアラーかもしれない」と思った方、また、知り合いにそういった問題で困っている方をご存知の方は、私、中村一夫までお知らせください。一緒に考え、解決策を探っていきたいと思います、中村一夫の連絡先は、090-3904―0813です。ご遠慮なくお電話ください。電話に出れないときは、留守電にお名前と連絡先を録音しておいていただければかけ直します。よろしくお願いいたします。

加えて、大和市でも「ケアラー支援条例」の制定を目指したいと思います。先述しましたように、埼玉県で国内初の「ケアラー支援条例」が制定されてから急速に条例化の波が起こっています。県内でも、鎌倉市で本年4月1日から「鎌倉市ケアラー支援条例」が施行されています。また、最終的には、「ケアラー支援法」が制定されるべきと考えていますので、法制化についても国に訴えてまいります。

いずれにしても、「ヤングケアラーの問題は、決して「軽い」話ではありません。「政治は困っている人のためにこそある」というのが私の信条です。これからも「ヤングケアラー」の問題を始め、困っている人に寄りそう政治の実現を目指して頑張ってまいります。