No.319 保育園で不適切保育について

討議資料
市内の小規模認可保育園での不適切保育の疑いについては、報道等ですでにご存知のことと思います。この件が報道されて以来、関係者はもとより、多くの方からもご相談を受けてきました。ことの発端は、昨年の夏、匿名の通報に始まります。市は2回にわたり、保育園を訪問しています。保育園への訪問は通報が匿名ということもあり、「通常の園訪問」という形式で行ったということです。その後、一度園からの聞き取りを実施しているようです。昨年11月15日に保育園から「園長による不適切保育に関する調査報告書」が提出されます。この報告書には、かなり深刻な児童虐待が記載されています。しかし、担当課は部長、副市長、市長への報告を行わず、市は特別指導監査も行わないで、「対応終了」としていたのです。理由としては、当該園長が退職したことと、改善点を市側に示したので「緊急性」がなくなったと判断したというのですが、このような対応に問題はなかったのでしょうか。

〇厚生常任委員会での質疑

令和7年3月3日の厚生常任委員会でこの点を取り上げて質疑を行いました。以下、抜粋を記載します。

(中村)ゼロから2歳の赤ちゃんの足を持ち逆さづりにし、無理やり給食を食べさせ、羽交い絞めにする事実があったと園が報告しているのに、なぜ、事実かどうかの確認をしなかったのか。

(ほいく課長)園の報告としては委員の言うとおりであるが、法人からしかるべき手続を経て報告書が出された。ただ、当該人は行為自体否認しており、その事実は我々の立ち入りの際にも確認できなかったので、法人が対応をとってきた、さらには、受傷報告や保護者からの被害、不適切保育の相談も、本件に関してはその時点でなく、総合的に考えて、引き続き保育の質向上に向けた通常の扱いに移った。

(中村)その判断は今でも間違っていなかったと思うか。

(ほいく課長)11月15日までの対応は適切であったと考えている。

(中村)11月15日に報告書が上がってきて、その中でそういった深刻な児童虐待、幼児虐待について書かれていたが、それに対して特別指導監査等の手だてがあるにもかかわらず、事実関係を確認しなかったことも、今でも問題なかったと思うか。

(ほいく課長)15日の報告書で再発防止対策や保護者との連携強化の報告をもらった。今回の問題に関して信頼無回復に向けた取組、保護者への周知と記述もあった。その対応等を、市から積極的に進行管理、その後の追跡はほいく課としてできたのではないかという点については、法人の主体性に任せてしまったということは、今後改善していく点と考えている。

(中村)こども部長はこの件について何か意見はあるか。

(こども部長)法人からの報告書の内容はかなりひどいもので、再発防止策等も示されていたが、担当課としては、内容の事実確認をしなければいけなかったと思っている。

(中村)市長は市の最高責任者で、小規模園の場合、認可権者は市になる。市が認可して、この保育園は大丈夫とある意味お墨付きを与え、しっかり指導監督しているから安心して子供を預けられると言っているが、今回の件についての考えを聞きたい。

(市長)全協でも話したとおり、大変重く受け止めている。11月15日に報告が部長、副市長、私のところに来ていれば対応していきたかった。これが事実であれば本当にあり得ない。自分のところに上っていれば、すぐに指導監督、そして、すぐに公表すべきであったと思う。ただ、法やガイドラインに沿ってというところもあるので、その判断は非常に難しい。ただ、今、事業者も弁護士を入れてもう一度調べ直しているが、園から、逆さづり、暴言、給食を無理に食べさせる等の報告の時点で、組織としてしっかりした報告、連絡、相談があるべきで、私はしっかりそのときに対応するべきであったと思う。だからこそ、聞いた次の日にトップミーティングを開いて、報告、連絡、相談をしっかりして欲しいと、重大案件についてはすぐに連絡して欲しいと。前市長の工事のやり直しで第三者から隠蔽体質と言われており、透明性を持っていかなければならないと思っている。だからこそ、今回、私としては組織のあり方を、報告、連絡、相談をしっかりして、さらに組織の体制強化、ガバナンス強化ももう一度見直し、両副市長、部長、みんなで話し合って改善していきたい。

(中村)同様なことは二度とあってはいけないが、再発防止をする前に、今回の事実を究明しないと再発防止といってもしようがないので、市長からも園側が新たに調査して報告書をもう一度出すと話があったが、これは園側の報告で、弁護士を入れた第三者ではないので、報告が正しいものか市としても調査をして欲しいがどうか。

(市長)今度、園側も弁護士を入れて、しっかりと調査すると言っているので、しっかり見届けていきたいし、それを見て私たちも指導監督していきたい。また、その園に通う子供や保護者の声にもしっかり対応していきたいので、市としてできることはやっていきたい。

〇何が問題か

今回の件で何が問題なのでしょうか。一つのカギとなる日付は、令和6年11月15日です。この日に園側から「不適切保育」に関する重大な報告書が出ていたにも関わらず、この時点で事実調査をしなかったということです。ところが、委員会の質疑でもあきらかなとおり、担当課は現在もさほどこのことを重要視していません。一方、担当課を所管するこども部長は、「事実確認をしなければいけなかった」と、担当課の対応に問題があったことを認めています。もう一つの重要な日付は、本年2月20日前後に、市長、副市長、こども部長がこのことを知った日です。市長は、「11月15日に報告が来ていれば対応していきたかった」と答弁していますが、この事実を知ったときも「調査をするよう」指示を出していません。このような重要な事案が明らかになったにもかかわらず、それをしっかりと調査しないことが、もっとも大きな問題だと思います。11月15日には知らなかったとしても、遅くとも今年2月20日には市長も知ったわけですから、大変遅いとはいうものの、早急に調査を実施するように指示を出すべきだったと思っています。

〇中村からの要望

3月3日の厚生常任委員会の質疑の中で、私から次の点を要望しました。(1)本件不適切保育について、事実を究明し、適切な処分も必要なら含め、必要な対策を速やかにとること。(2)通園している幼児の身体的・精神的状況を把握し、必要なケアをしっかり行うこと。(3)転園については弾力的な運用はもちろん、転園先の園が了解する場合は柔軟に対応してほしい。(4)二度とこのような事件が行らないよう、再発防止のために必要な具体策を行ってほしい。(5)子供行政を抜本的に見直し、子供が健やかに育まれる環境を整えてほしい。

〇愛知県・東郷町の事例

愛知県・東郷町の認定こども園で発覚した不適切保育に対応して、東郷町は、第三者委員会を設置して検証するほか、転園を希望する保護者や保育士を確保するために必要な予算を議会に提案し、議会は全員賛成で可決しています。ぜひ、大和市も東郷町のように、市自らが第三者委員会を設置して、事実の究明を行っていだきたい。そして、今回のことを受けて転園を希望する方にもしっかりと対応をしていただきたいと思います。今回の件で、保育園は保護者説明会を行っていますが、市は行っていません。東郷町では町が保護者に対して説明会を実施するということです。ぜひ、大和市も市みずから保護者への説明会を行っていただきたい思います。

〇信頼を回復するために

今回の事件とその後の市の対応は、「子育て王国」を自認する大和市の信頼を大いに損ないました。市は早急にこの問題に真剣に取り組み、失われた信頼の回復に努めなければなりません。引き続き、私もこの問題に全力で取り組んでまいります。この件について、ご相談がある方は、ご遠慮なく私までご連絡下さい。